春の塗り替えの相談が一段落すると、一括見積サイトから届いた案件の見積がいくつも手元に残ります。どれも3社前後との相見積で、値引きの相談に応じて契約が決まっても、成約の手数料を払うと残る粗利は小さくなります。外壁と屋根の塗装を営む会社から、こうしたお話をよく伺います。
REARCSは13年にわたり広告運用に携わり、暮らしのお困りごとを解決する領域や、住まいの工事の集客を担当してきました。水道修理(全国対応・月数百件規模の運用)や便利屋(月額の運用代行)も、その例です。この記事では、その中のジャンルの一つである外壁塗装を取り上げます。一括見積サイトに頼る割合を下げながら、リスティング広告で自社に直接届く相談を増やす方向性と戦略の一部をご紹介します。
要点は3つです。1つ目は、行き先のページごとに検索語と広告グループを分けることです。2つ目は、地域の施工事例と坪数別の料金の幅を先に示して、相見積の候補に残る材料をそろえることです。3つ目は、現地調査と契約の金額まで記録して、一括見積の手数料と同じ物差しで比べることです。金額は公開資料の幅と仮の計算例で示し、当社が担当する場合に何を、どの順で、どの規模で進めるかを0から10の手順でまとめます。
この記事でわかること
- 外壁塗装の工事単価の幅と問い合わせが増える月
- 0から10の手順と塗装会社での期間と規模
- 地域別と工事別のページをAIで作り改善する進め方
- 一括見積の手数料と自社広告の費用を比べる計算の仕方
外壁塗装の相談は春と秋の工事に向けて増え1件の工事は数十万円から百万円を超えます
1件の金額が大きく検討が長いため、最初の相談と見積のあとの連絡が契約に影響します
集客の計画を立てる前に、工事1件の金額の幅と、相談が増える月をつかみます。外壁塗装は、月の件数は少なめでも1件の金額が大きく、契約までに時間がかかる工事です。この性質を先に押さえると、検索語の分け方と予算の配分を決められます。
工事の金額は坪数と塗料と屋根の有無によって幅があります
公開されている相場の記事を並べると、30坪の戸建ての外壁塗装は60万〜130万円の幅に収まります。成約データ2,469件を集計したサイトでは、90万〜130万円が中心です。
塗料別では、シリコンで60万〜100万円前後、フッ素で80万〜120万円前後、無機で100万〜140万円前後の表示が多く見られます。屋根も同時に塗ると、80万〜160万円の幅です。足場を一度で済ませられるため、外壁と屋根をまとめて相談する施主もいます。
工事は春と秋に多く広告は工事の1〜2か月前から厚くします
塗装は気温と湿度の影響を受けるため、工事は春と秋に集まります。広告代理店の解説では、需要期は3〜5月と9〜11月です。梅雨は雨で工期が延びやすく、冬は気温が低い地域ほど工事を先に延ばす施主が増えます。
広告の予算を厚くする月は、工事が増える月の1〜2か月前に置きます。塗装会社が集客を始める時期の公開例に合わせた置き方です。自社の過去の問い合わせを月ごとに数えて、この時期を確かめます。
検討は1〜3か月かかり施主は複数の会社を比べます
塗り替えは、塗料の耐用年数を目安に検討が始まります。耐用年数の目安は、シリコンで10〜15年、フッ素で15〜20年、無機で20〜25年です。検討の期間は1〜3か月が目安とされ、施主は2〜3社に現地を見てもらい、金額と説明を比べます。
訪問による点検の勧誘については、国民生活センターが注意を呼びかけています。施主は、訪ねてきた会社より、自分で調べて見つけた会社に相談したいと考えることがあります。広告とLPは、施主が自分で選ぶ材料をそろえる場所として作ります。工事の金額と時期をつかんだところで、次は何をどの順で進めるかを0から10の手順で並べます。
当社が担当する場合は0から10の手順を初月の実測から始めます
初月の実測で許容額を決め、契約の数字がそろう3か月目から一括見積との配分を見直します
外壁塗装は、問い合わせ、現地調査、見積の提出、契約の順に進む工事です。契約まで1〜3か月かかるため、配信を始める前に計測と台帳を整えておくと、2か月目には現地調査の段階までの数字で許容額を決められます。
外壁塗装の会社を当社が担当するときの進め方を、期間と規模の目安とともに表にしました。
| 手順 | やること | 期間の目安 | 規模の目安 |
|---|---|---|---|
| 0 今の数字の把握 | 媒体ごとの問い合わせ数、現地調査の数、契約率、工事単価、粗利率、一括見積に払った手数料を6か月分そろえる | 準備の1週目 | 過去の台帳と広告の管理画面と一括見積の請求書 |
| 1 計測と成約台帳の準備 | 電話、フォーム、LINEの計測と、現地調査日と契約日と金額を記入する台帳を当社が用意する | 準備の1〜2週目 | 電話、フォーム、LINEの計測と台帳1冊 |
| 2 広告グループの設計 | 行き先のページごとに、指名語、外壁塗装、屋根塗装、費用と相場の4つに分け、除外語を登録する | 準備の2週目 | 広告グループ4つと除外語の一覧 |
| 3 ページの制作 | AIを使ったLP制作で、外壁塗装と屋根塗装のLP、坪数別と塗料別の料金のページ、市区町村ごとの施工事例のページを作る | 準備の2〜4週目 | LP2本と料金のページ1本、施工事例のページは施工地域の数だけ |
| 4 配信の開始と実測 | 問い合わせ1件の上限を置かずに配信し、クリック単価、問い合わせ率、獲得単価、現地調査率を測る | 配信の初月 | 初月の広告費は300,000円(仮の計算例・1月に配信を始めた場合) |
| 5 検索語の整理 | 配信直後の2週間は毎日、その後は週1回、検索語を見て塗料の販売や自分で塗る人の語を除外する | 配信の初月〜2か月目 | 1月〜2月にDIYと塗料の販売の語を除外語に足す |
| 6 許容額の決定と現地調査と契約の取り込み | 初月の実測と工事単価から許容額を決め、現地調査と契約と金額を広告の管理画面に戻す | 配信の2か月目 | 2月から週1回、現地調査と契約の金額を取り込む |
| 7 ページの改善(LPO) | 施工事例の並べ方、料金の早見表の位置、相談の手段の並べ方を比べる | 配信の2〜3か月目 | 2月〜3月は外壁塗装のLPで料金の早見表の位置を1か所ずつ比べる |
| 8 再訪問の広告と見積後の連絡 | ページを見た人に検討の期間に合わせて広告を出し、見積を出した施主への連絡の日程を決める | 配信の3か月目以降 | 3月〜5月の需要期に、見積を出した施主へ最大90日ほど再訪問の広告を出す |
| 9 地図検索とSEO記事 | 施工の写真と記録をもとに、地域別と塗料別と外壁材別の記事と口コミを積み上げる | 配信の3〜6か月目 | 4月〜6月に春の施工の記録から地域別と塗料別の記事を書く |
| 10 一括見積との配分の見直し | 一括見積と自社広告の契約1件あたりの費用と粗利を並べ、一括見積の比率を下げる地域を決める | 配信の4〜6か月目 | 6月に契約1件あたりの費用を並べ、9月〜11月の需要期の一括見積の比率を決める |
手順0と1で一括見積の手数料と自社の数字を並べます
最初に、媒体ごとの問い合わせ、現地調査、契約の件数と金額を6か月分そろえます。一括見積サイトについては、紹介料と成約の手数料を請求書から拾い、契約1件あたりにいくら払っているかを計算します。この金額が、自社の広告にかけてよい費用を考えるときの比べる相手になります。
計測の仕組みと成約台帳は、この段階で当社が用意します。外壁塗装では、問い合わせから契約まで月をまたぐため、問い合わせ日、現地調査日、見積の提出日、契約日を台帳の別の欄に分けて残します。
手順2から4で行き先別の広告とページを用意して配信を始めます
広告グループは、行き先のページに合わせて4つに分けます。社名で探す人は会社のトップページへ、地域名と外壁塗装で探す人は外壁塗装のLPへ、屋根塗装で探す人は屋根塗装のLPへ、費用や相場で探す人は料金のページへ送ります。
春の需要期の前に配信を始める初月は、外壁塗装、屋根塗装、費用と相場の3グループとも、問い合わせ1件の上限を置かずに配信します。当社はこのジャンルの獲得単価を自社の実績として持っていません。最初の1か月で、クリック単価、問い合わせ率、獲得単価、現地調査に進む割合を、その会社の数字で測ります。
手順5から10で許容額を決めて一括見積との配分を動かします
2か月目には、初月に測った数字と工事単価から許容額を決め、除外語の追加と成約データの取り込みを同時に進めます。同じ時期に、施工事例の並べ方や料金の早見表の位置を入れ替えて、問い合わせにつながる割合を比べます。
3か月目からは、再訪問の広告と見積後の連絡を整えます。契約の数字がそろう4か月目以降に、一括見積と自社広告の契約1件あたりの費用を並べ、一括見積の比率を下げる地域を選びます。次の章では、手順2の指名語、外壁塗装、屋根塗装、費用と相場の分け方を説明します。
検索語と広告グループは行き先のページごとに分けて自分で塗る人の語を外します
行き先のページが同じ検索語はまとめて1つの広告グループに入れ、データを1か所に集めます
「外壁塗装」「外壁塗装 業者」のような大きな語では、一括見積サイトや全国展開の会社が上位と広告枠に並びます。地域の塗装会社は、社名、市区町村名、工事の種類を組み合わせた検索語を中心にすると、同じ予算で自社に直接届く相談を増やしやすくなります。
広告グループは行き先のページが変わるときに分けます
広告グループは、似た検索語と広告文をひとまとめにして管理する単位です。分ける目安は、検索した人を送るページ(着地先のURL)が変わるかどうかです。この記事で4つに分けているのは、送り先のページが4種類あるからです。
「外壁塗装 ○○市」と「○○市 外壁 塗り替え 業者」は、どちらも外壁塗装のLPに送るため、同じ広告グループにまとめます。データが1つのグループに集まると、入札の調整が早く進み、どの語が現地調査につながったかも判断できます。
外壁材別(サイディング、モルタル)や塗料別に広告グループを分ける方法もあります。それぞれに専用のページを用意する場合に使える分け方で、ページを増やす順番は、初月の検索語の一覧で件数の多い語から決めます。
| 広告グループ | 行き先のページ | 取る検索語の例 | 除外する検索語の例 |
|---|---|---|---|
| 指名語 | 会社のトップページ | 社名/社名 外壁塗装/社名 評判 | 社名 求人/社名 採用 |
| 外壁塗装と地域 | 外壁塗装のLP(市区町村ごとの施工事例へのリンク付き) | 外壁塗装 ○○市/○○市 外壁 塗り替え 業者/外壁塗装 見積もり ○○市 | 外壁塗装 DIY/外壁 塗料 スプレー/外壁 塗装 自分で |
| 屋根塗装 | 屋根塗装のLP | 屋根塗装 ○○市/屋根 塗り替え 費用/スレート 屋根 塗装 | 屋根 塗料 販売/雨漏り 修理(対応しない場合) |
| 費用と相場 | 坪数別と塗料別の料金のページ | 外壁塗装 30坪 費用/外壁塗装 相場 シリコン/外壁 屋根 塗装 セット 費用 | 塗料 価格 一斗缶/塗装 単価表 職人 |
| 共通の除外語 | 全グループに登録 | なし | 求人/塗装工 なるには/資格/講習/塗料メーカー 就職 |
指名語は社名で探す施主を一括見積や他社の広告に渡さないために出します
チラシ、紹介、地図検索で社名を知った施主は、社名で検索して評判や施工事例を確かめます。社名の検索結果に一括見積サイトや他社の広告が並ぶと、自社を探していた施主がそちらに移ることがあります。指名語の広告はクリック単価が低いことが多く、少ない費用で自社への相談の経路を守れます。
除外語は配信の前に登録し週1回足していきます
除外キーワードは、広告を出したくない検索語を指定する設定です。外壁塗装では、自分で塗る方法、塗料の購入、塗装の仕事を探す人の検索が混ざります。表の右端の語は配信を始める前に登録し、その後は週1回、検索語の一覧を見て足していきます。検索語が決まったら、次はそれぞれの行き先のページを用意します。
LPは地域別と工事別に作り相見積の候補に残る材料をそろえます
施主が自分の家に近い事例と金額の幅を見つけられると、相見積で比べる候補に残りやすくなります
施主は広告をクリックしたあと、施工事例と会社の情報を見て、見積を頼む候補に入れるかを考えます。行き先のページで、自分の家に近い事例と、おおよその金額の幅と、相談の流れが分かるようにします。
施工事例は地域と建物と塗料と金額の幅をそろえて載せます
施工事例には、施工した市区町村、建物の坪数と外壁材、使った塗料、工期、金額の幅をそろえて書きます。市区町村ごとに事例のページを分けると、「外壁塗装 ○○市」で探した施主が、近所の家の事例をすぐに見られます。
料金のページには、坪数別と塗料別の早見表を置き、足場、高圧洗浄、下地の補修、付帯部の塗装といった見積の項目を並べます。項目が分かれていると、施主が他社の見積と並べて比べやすくなります。
表示の決まりと補助金は公式の情報に沿って書きます
「地域で一番」のような表示は、消費者庁が公開する景品表示法の事例に当たるため、根拠を書き添えます。工事後の点検を約束する場合は、回数と期間を具体的に書きます。景品表示法では、根拠のない優良さの表示が問題になるため、件数や期間の数字を出すときは集計の範囲を添えます。
国土交通省のみらいエコ住宅2026事業の公式ページでは、外壁は断熱材を使う「躯体の断熱改修」の部位として載っています。補助額は断熱材の量(1㎥あたり)で計算されます。塗り替えの相談で補助金に触れるときは、対象となる工事の範囲を公式ページと事務局で確かめてから案内します。
AIを使ったLP制作で地域別のページを同じ型から作り契約の数字で改善します
当社が担当する場合は、AIを使ったLP制作で共通の型を作り、市区町村ごとに施工事例、地図、よくある質問を差し替えます。施工地域が10市区町村あれば、10本のページを同じ型から短い期間でそろえられます。
広告代理店が公開している外壁塗装の支援実績では、除外語の精査とLPの改善を同時に進めて、3か月で問い合わせ1件の獲得単価を平均35%下げた例があります。関東の5社の実績で、社数が少ない点は差し引いて読みます。
LPO(LPの改善)は、施工事例の並べ方や料金の示し方を入れ替えて、問い合わせにつながる割合を上げる取り組みです。CVR(コンバージョン率)は、ページを見た人のうち問い合わせた人の割合を指します。CPA(獲得単価)は、問い合わせ1件あたりの広告費です。
外壁塗装では、問い合わせのうち契約に進む割合が会社によって大きく違うため、改善の判断にはCPAに加えて現地調査と契約の件数を使います。ROAS(広告費用対効果)は、広告費に対する売上の倍率です。ROI(投資利益率)は、広告費と運用の費用の合計に対して、残った利益の割合を示す数字です。
再訪問の広告と見積後の連絡で検討の期間を支えます
再訪問の広告(リマーケティング)は、一度ページを見た人に、別のサイトや検索結果で広告を出す仕組みです。検討が1〜3か月続く工事では、2回目、3回目に施工事例や色の確認の案内を見せる役割を持たせます。表示の期間は、検討の期間に合わせて最大90日ほどにします。
見積を出した施主には、提出から何日後に何を伝えるかを先に決めておきます。色見本の案内、近所の施工事例の紹介、工事の時期の相談と、連絡の内容を日程ごとに台帳に書いておくと、担当者が変わっても同じ順で連絡できます。
配信地域と時間帯は施工できる範囲と月に受けられる棟数に合わせます
広告で受ける件数の上限は、職人の班の数と月に施工できる棟数で考えます
配信の設定によって、同じ広告費で受けられる相談の数と質が変わります。外壁塗装では、職人が通える範囲と、月に施工できる棟数が設定の基準になります。以下、職人が通える地域と月の棟数、施主が見る時間帯とデバイス、契約を目標にした入札の順に説明します。
配信地域は現地調査と施工に通える市区町村に絞ります
外壁塗装の工事は、現地調査、施工、工事後の点検と、同じ家に何度も通います。配信地域は、拠点から通える市区町村に絞り、地域の指定ではその地域にいる人に出す設定を使います。施工事例のページがある市区町村から順に、入札を強めます。
月に施工できる棟数から広告で受ける件数を決めます
戸建ての塗装は、1つの現場に2週間前後かかります。1つの班が月に2棟を施工できると仮定すると、2つの班で月4棟が施工の上限になります。契約の割合が4件に1件なら、月に16件の問い合わせを受けると上限に届く計算です。
この上限を超える相談が見込める月は、予算を増やす前に、施工の予定が空いている月へ工事の時期をずらす提案を広告文とページに入れます。冬や梅雨の時期の工事の相談を受ける形にすると、職人の手が空く月を埋めやすくなります。
時間帯とデバイスは電話を受けられる時間に合わせます
電話を受けられる時間に入札を強め、受付の時間外はフォームとLINEで相談を受けて翌日に折り返します。施主は、スマートフォンで施工事例を見て、パソコンで料金のページを比べることがあります。デバイスごとの入札は、問い合わせと現地調査の割合を見て調整します。
入札は現地調査と契約の記録がたまってから自動入札に移します
入札は、最初の数週間はクリックを集める設定で始め、問い合わせと現地調査の記録がたまってから、契約を目標にする自動入札に移します。自動入札は、成果の見込みに合わせて広告の仕組みがクリック単価を調整する機能です。目標の獲得単価の決め方は、目標CPAの記事で説明しています。
電話とフォームとLINEの計測と成約台帳で現地調査から契約までを追います
契約の金額まで戻すと、検索語ごとの売上と、一括見積との費用の差が見えてきます
広告の管理画面で見えるのは問い合わせまでで、現地調査と契約は会社の台帳に記録されています。この2つをつなぐと、どの検索語に広告費を使えば契約が増えるかを判断できます。ここでは、問い合わせから現地調査と契約までをつなぐ手順1と手順6の中身を説明します。
電話とフォームとLINEの計測の仕組みは当社が用意します
電話は、広告の電話番号アセットに付く計測用の転送番号と、ページに置く計測用の電話番号(外部の電話計測ツール)で、広告グループと検索語ごとに記録します。フォームとLINEで届いた相談には、どの広告をクリックして来たかが分かる番号を記録します。この仕組みは当社が用意して設定します。
契約は、当社が用意する成約台帳(表計算)に、クリック識別子と契約日と金額を記入していただき、当社が定期的に広告の管理画面へ取り込みます。会社側で用意していただくのは、台帳への記入と、現地調査の結果の共有だけです。営業の電話や間違い電話を成果に入れないよう、決めた通話時間を超えた電話を成果にします。
現地調査と契約の金額を広告の管理画面に戻します
成約データの取り込み(オフラインコンバージョン)は、現地調査や見積のあとに決まった契約を、広告の管理画面に記録する仕組みです。問い合わせの記録に残したクリック識別子(GCLID)と、契約の日時と金額を週1回取り込みます。
契約まで1〜3か月かかるため、現地調査の段階も成果として取り込みます。そうすると、契約の記録がたまる前から、現地調査につながる検索語に入札を寄せられます。契約の金額と広告費の比べ方は、目標ROASの記事で紹介しています。
一括見積の案件も同じ台帳で記録します
一括見積サイトから届いた案件も、同じ台帳に媒体の欄を分けて記録します。紹介料と成約の手数料も台帳に書いておくと、自社広告と一括見積の契約1件あたりの費用を、同じ表の上で比べられます。契約まで追えるようになったら、次は公開資料の幅と自社の工事単価から、広告費の許容額を試算します。
問い合わせ1件の許容額は工事単価と一括見積の手数料と初月の実測から決めます
工事単価が大きい分、契約率が許容額を大きく動かします
問い合わせ1件にかけてよい広告費(許容額)は、1件の売上に、広告費に充てる比率と契約率を掛けて求めます。外壁塗装では、クリック単価と獲得単価の公開値を使い、契約率は初月から台帳で実測します。この章では、手数料、クリック単価、獲得単価の公開値を出典の種類とともに並べ、その後で仮の計算例に進みます。
一括見積の手数料は受注金額の5〜20%程度に紹介料が加わります
一括見積サイトの解説や加盟していた会社の記事では、業者が払う成約の手数料は受注金額の5〜20%程度で、サイトにより5〜10%、8〜15%、10〜20%と幅があります。これに加えて、紹介1件ごとに5,000〜20,000円程度の紹介料がかかる形が多く、登録の費用や月額の費用がかかるサイトもあります。
この手数料は、自社の広告に使ってよい費用の比率を考えるときの目安になります。この記事の試算では、広告費の比率を手数料の幅の中にある売上の15%と置きます。15%は試算のための値で、実際には自社の粗利率から置き直します。
クリック単価は300〜800円程度で獲得単価の公開値は1〜3万円です
外壁塗装の広告を扱う代理店の解説では、クリック単価の相場は300〜800円です。検索語別には、「外壁塗装 ○○市」が400〜800円、「外壁塗装 見積もり」が500〜900円とされています。「外壁塗装 費用」は300〜600円、「外壁 塗り替え」は200〜500円です。都市部では500〜1,500円程度とする解説もあります。
問い合わせ1件の獲得単価は、同じ代理店の支援実績(関東の5社)で1〜3万円です。別の運用会社の公開事例でも、関東の塗装会社で約2万円という例があります。クリックから問い合わせになる割合は初月に実測するため、次の表で組み合わせごとの獲得単価を当社で計算しました。
| クリック単価(仮の計算例) | 問い合わせ率2% | 3% | 5% |
|---|---|---|---|
| 500円 | 25,000円 | 約16,700円 | 10,000円 |
| 800円 | 40,000円 | 約26,700円 | 16,000円 |
| 1,500円(都市部) | 75,000円 | 50,000円 | 30,000円 |
クリック単価500〜800円で問い合わせ率が3%なら、獲得単価は約16,700〜26,700円で、公開値の1〜3万円の中に入ります。都市部の1,500円では、問い合わせ率を5%まで上げても30,000円です。問い合わせ率はページの作りと受付の体制で動くため、自社の値は初月に実測します。
仮の計算例で工事ごとの許容額と月の利益を比べます
以下の金額と割合は、外壁塗装の試算の流れを示すために置いた仮の数字です。前提は、公開資料の幅の中か、保守的な側に置きました。
- 月の広告費は300,000円とします(代理店の解説にある月額の目安の範囲)
- クリック単価は750円、問い合わせ率は3%とし、問い合わせは月12件、獲得単価は25,000円になります
- 契約率は25%と仮定します(初月から台帳で実測して置き直します)
- 工事単価は1,000,000円(30坪の幅の中)とします
- 粗利率は35%と仮定します
式は「許容額=1件の売上×広告費に充てる比率×契約率」です。粗利率35%なら、売上の15%は粗利の約43%にあたります。
| 工事(仮の計算例) | 1件の売上 | 契約1件にかけられる広告費(売上の15%) | 問い合わせ1件の許容額(契約率25%) | 仮の獲得単価25,000円との比較 |
|---|---|---|---|---|
| 外壁のみ(シリコン) | 800,000円 | 120,000円 | 30,000円 | 上回る |
| 外壁のみ(フッ素や無機) | 1,100,000円 | 165,000円 | 約41,300円 | 上回る |
| 外壁と屋根の同時塗装 | 1,300,000円 | 195,000円 | 約48,800円 | 上回る |
契約率25%の仮定では、どの工事でも許容額が仮の獲得単価25,000円を上回ります。契約率が10%に下がると、外壁のみのシリコン塗装の許容額は12,000円になり、獲得単価を下回ります。相見積で選ばれる割合が、広告を続けられるかどうかを左右します。
| 項目(月・仮の計算例) | 契約率25%・工事単価1,000,000円 | 12件中2件の契約・工事単価800,000円 |
|---|---|---|
| 広告費 | 300,000円 | 300,000円 |
| クリック数(1クリック750円) | 400回 | 400回 |
| 問い合わせ(問い合わせ率3%) | 12件 | 12件 |
| 獲得単価 | 25,000円 | 25,000円 |
| 契約 | 3件 | 2件 |
| 売上 | 3,000,000円 | 1,600,000円 |
| 売上に対する広告費の比率 | 10% | 約19% |
| ROAS(売上÷広告費) | 1,000% | 約533% |
| 粗利(35%) | 1,050,000円 | 560,000円 |
| 粗利から広告費を引いた額 | 750,000円 | 260,000円 |
契約率25%なら、広告費は売上の10%で、一括見積の成約手数料の幅の中か下の側です。同じ3件、3,000,000円の契約を一括見積サイト経由で受けた場合と比べます。成約の手数料だけで300,000〜600,000円(受注金額の10〜20%)になり、紹介料が別に加わります。
12件中2件の契約で工事単価が800,000円の月は、広告費は売上の約19%になり、粗利から広告費を引いた額は260,000円です。この月でも一括見積の手数料の幅の中に収まりますが、契約率と単価が下がるほど自社広告の利点は小さくなります。
運用の費用は、外壁塗装の広告を扱う代理店の解説にある公開値で試算します。運用代行の手数料は広告費の20%が業界標準とされ、広告費300,000円なら60,000円です。
| 項目(契約率25%の月・仮の計算例) | 運用の費用を広告費の20%とした場合 |
|---|---|
| 売上(3件×1,000,000円) | 3,000,000円 |
| 粗利(35%) | 1,050,000円 |
| 広告費 | 300,000円 |
| 運用の費用 | 60,000円 |
| 広告費と運用の費用の合計(売上に対する比率) | 360,000円(12%) |
| 残る利益 | 690,000円 |
| ROI(残る利益÷広告費と運用の費用の合計) | 約192% |
運用の費用を広告費の20%とすると、粗利から広告費と運用の費用を引いて、月690,000円が残ります。契約が2件の月でも、同じ計算で残る額を確かめられます。
表の工事単価と契約率を自社の値に置き換えると、自社で残る利益の見当が付きます。公開資料の数字は他社の例で、自社の数字は地域、塗料、相見積の数、受付の体制によって上下します。当社が担当する場合は、初月は問い合わせ1件の上限を置かずに配信して、各段階の割合を実測します。
2か月目には、初月に測った数字と台帳の金額をもとに許容額を決めます。計算の式は前の表と同じで、工事単価と契約率に自社の値を使います。決めた許容額は、外壁塗装、屋根塗装、費用と相場の広告グループごとに目標の獲得単価として設定します。獲得単価が許容額を超えたグループは、検索語、ページ、配信地域の順に点検してから予算を戻します。
一括見積に頼る割合は自社の経路を育てながら地域ごとに下げます
配分は媒体ごとの契約1件あたりの費用と粗利で、地域ごとに月1回見直します
外壁塗装は、一括見積サイトが検索結果の上位と広告枠に多く並ぶ工事です。一括見積は件数を得やすい一方、相見積と手数料が前提になります。地域の塗装会社は、自社に直接届く相談の経路を育て、契約1件あたりの費用が下がった地域から一括見積の比率を下げていきます。
一括見積は自社の経路が育つまで件数を支えます
一括見積サイトからは、自社のページや広告を整えている間も案件が届きます。台帳に記録した紹介料と成約の手数料から、一括見積の契約1件あたりの費用を出し、自社広告の契約1件あたりの費用と毎月並べます。
自社広告の費用が一括見積より低い地域が見つかったら、その地域から一括見積の受付を絞ります。地域ごとに切り替えると、全体の件数を大きく落とさずに自社の経路の比率を上げられます。
地図検索とSEO記事は塗り替えの施工の記録から積み上げます
地図検索対策(MEO)は、Googleマップで地域の塗装会社を探す人に、自社の情報を見つけてもらう取り組みです。施工の写真、対応する工事の種類、施工地域を登録し、口コミに返信します。工事のあとに口コミをお願いする流れを、引き渡しの手順に入れておきます。
SEO記事は、広告枠の下の通常の掲載枠に表示され、塗り替えを調べる施主に読まれる記事です。評価される記事には、自社の施工で得た一次情報と、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が求められます。塗装の記事では、書き手の専門性、第一人者としての認知、サイト名の信頼という信用の3要素を、施工の記録と資格の表示で裏づけます。
当社が担当する場合は、台帳の施工の写真と記録、お客様の声を、地域別と塗料別と外壁材別の記事とページへ随時反映する仕組みをAIで組み、お客様の会社の中に置きます。施工の記録が届いた週に、記事と施工事例のページを1件ずつ当社が更新します。
受付のシステム化で見積後の連絡までを同じ台帳で回します
受付のシステム化は、電話、フォーム、LINEで受けた内容を同じ台帳に記録し、現地調査の予約、見積の提出、見積後の連絡、契約までをつなぐ仕組みです。見積を出した日から連絡の予定が自動で並ぶと、返事を待っている施主への連絡が担当者の記憶に左右されにくくなります。
塗装会社の集客は広告運用から受付のシステム化まで7つの領域で支えます
REARCSでは、広告運用、LPの制作と改善、SEO記事、AIを使った業務のDX、受付のシステム化を、いずれも自社の事業の中で開発して使っています。外壁塗装の会社の集客では、次の7つの領域を組み合わせて担当します。
7つの領域は当社の自社事業で使っている仕組みで、塗装会社の集客の段階に合わせて組み合わせます
媒体の配分は、件数、契約率、契約1件あたりの費用と粗利を媒体ごと、地域ごとに並べて、月に1回見直します。他の業種の進め方は、水道修理の集客記事でも紹介しています。ここまでの内容について、外壁塗装の会社からよく受ける質問をまとめます。
よくある質問
判断に迷った時は、契約1件あたりの費用と、月に施工できる棟数に戻って考えます
外壁塗装の広告は春と秋だけ出せばよいですか?
年間を通して出し、工事が増える月の1〜2か月前に予算を厚くする形を勧めます。春の工事に向けた配信は1月から2月に始めます。冬や梅雨の時期は、工事の時期を相談できることをページに書いて、施工の予定が空いている月を埋めます。
一括見積サイトはすぐにやめた方がよいですか?
自社広告の契約1件あたりの費用が一括見積より低くなった地域から、段階的に比率を下げる形を勧めます。自社のページと広告を整えている間は、一括見積が件数を支えます。台帳で両方の費用を並べてから、切り替える地域を決めます。
料金をページに載せると価格だけで比べられませんか?
坪数別と塗料別の幅と見積の項目を載せると、施主が自社の見積の理由を理解しやすくなります。施工事例に金額の幅を添えると、近い条件の家の工事がいくらだったかが伝わります。値段だけで探す人の検索語は、除外語の一覧で調整します。
社名で検索する人にも広告を出す必要はありますか?
社名の検索結果に一括見積サイトや他社の広告が並ぶ場合は、出すことを勧めます。チラシや紹介で社名を知った施主が、別の会社の広告に移ることを防げます。指名語のクリック単価は低いことが多く、少ない費用で始められます。
補助金を広告やページで案内してもよいですか?
公式ページで対象を確かめた範囲で案内します。みらいエコ住宅2026事業の公式ページでは、外壁は断熱材を使う改修の部位として載っています。塗り替えの相談で触れるときは、対象となる工事の範囲を事務局に確かめてから伝えます。
広告費は月いくらから始めればよいですか?
施工できる地域と月に施工できる棟数から決めます。仮の計算例では月300,000円で問い合わせ12件と置きました。代理店の解説には、月5件の問い合わせを目標にするなら月10〜15万円が出発点という目安もあります。初月の実測をもとに、2か月目に月の予算を決めます。
まとめと外壁塗装の広告アカウントの無料診断
契約1件あたりの費用で媒体を比べると、一括見積の比率を下げる地域を選べます
外壁塗装の集客は、行き先のページごとに検索語と広告グループを分け、市区町村ごとの施工事例と料金の幅をそろえるところから始まります。現地調査と契約の金額まで記録すると、一括見積の手数料と自社広告の費用を同じ物差しで比べられ、自社に直接届く相談の比率を地域ごとに上げていけます。
最後に、外壁塗装の広告アカウントを点検するための10項目を並べます。当てはまらない項目から手を付けると、限られた予算をどこから直すかが分かります。
- 指名語、外壁塗装と地域、屋根塗装、費用と相場の広告グループが分かれている
- 広告グループと行き先のページのURLが対応している
- 塗装の施工地域の市区町村名を含む検索語を登録している
- DIY、塗料の販売、求人などの除外キーワードを登録している
- 市区町村ごとの施工事例のページがある
- 坪数別と塗料別の料金の早見表と見積の項目がある
- 配信地域が施工に通える範囲と一致している
- 電話、フォーム、LINEを分けて計測している
- 現地調査と契約の金額を広告の管理画面に取り込んでいる
- 一括見積と自社広告の契約1件あたりの費用を月1回比べている
無料アカウント診断では、REARCSの担当者がこの10項目を塗装会社の実際の広告アカウントで一つずつ見ていきます。一括見積に頼る割合を下げたい方は、今の設定でどこから直すかを知るためにご利用ください。