
コンセントを1か所増やしたいという電話と、分電盤を替えたいという電話が、同じ週に同じ広告から入ってきます。強風が吹いた翌朝には、テレビが映らなくなったという相談が重なります。電気工事とアンテナ工事の会社にとって、金額の違うこれらの依頼を広告からどう受けるかは、手元に残る利益に大きく関わります。
REARCSは広告運用を13年続けてきた会社で、電話での反響が多い緊急駆けつけのサービスや、暮らしのお困りごとを解決する領域の集客を担当してきました。水道修理(全国対応・月数百件規模の運用)や便利屋(月額の運用代行)が、担当してきた案件の例です。この記事では、その領域に近いジャンルの一つである電気工事とアンテナ工事について、リスティング広告を使った集客の方向性と戦略の一部をご紹介します。
進め方の軸は3つあります。1つ目は、工事の種類ごとにLPを用意して広告グループを分けることです。2つ目は、資格と登録と料金の幅をLPの上部で示すことです。3つ目は、成約の金額まで記録して、工事ごとに広告費と売上の釣り合いを確かめることです。単価や手数料は公開資料の幅と仮の計算例で示します。当社が担当する場合の進め方は、0から10の手順で期間と規模を添えて説明します。
この記事でわかること
- 工事の種類ごとの単価の幅と依頼が増えるきっかけ
- 0から10の手順と電気工事での期間と規模
- 着地先のLPに合わせた工事別の広告グループの分け方
- 公開資料の幅と初月の実測から工事ごとの許容額を決める進め方
電気工事とアンテナ工事は工事の種類によって単価の幅が大きく開きます
同じ電気の仕事でも1件の金額は数千円から10万円を超えるまで開きがあり、工事ごとに広告費の上限を分けて考えます
広告の計画を立てる前に、工事の種類ごとの単価と、依頼が増えるきっかけを押さえます。電気工事は、数千円の器具の交換から10万円前後の分電盤の工事までが、同じ「電気屋さん」への相談として届きます。工事ごとの金額の差が分かると、広告費をどの工事に厚くするかを決められます。
コンセントと照明は金額が小さくインターホンと分電盤は1件の金額が大きめです
電気工事店が公開している料金の一覧では、コンセントの交換は約5,000〜12,000円、増設は約8,000〜40,000円です。照明器具の交換は約5,000〜15,000円、インターホンの交換は約10,000〜50,000円、分電盤の交換は約50,000〜120,000円とされています。いずれも公開情報をもとにした目安と注記されています。
大手ポータルの東京都のページでは、コンセントの工事・取替・増設の平均費用が2.5万円と表示されています。過去3年の利用料金から算出した目安だと注記されています。エアコンの専用回路やEV充電用の200Vコンセントのように、分電盤から新しく配線を引く工事は、増設の中でも金額が高い側に寄ります。
アンテナは修理と交換の依頼が新設の約2倍あります
大手ポータル系のアンテナ工事の集計(2022年11月〜2023年10月)では、新規設置が4,288件、修理・交換が8,561件でした。新規設置の平均は、地デジのみ50,706円、BS/CSのみ42,712円、地デジとBS/CSの両方で66,956円です。修理・交換の平均は、地デジのみで49,755円でした。
修理の内容別の目安は、専門業者10社の回答の平均で、方向の調整が約2万円、立て直しが約3〜4万円、本体の交換が約4万円です。同じ「映らない」の相談でも、向きを直すだけか、本体を替えるかで金額が倍ほど変わります。
依頼のきっかけは新築と強風の後とブレーカーの不具合です
国土交通省の建築着工統計では、2025年の新設住宅着工戸数は740,667戸で、そのうち持家は201,285戸でした。新築の家では、引き渡しから入居までの間に、テレビの受信をアンテナにするかどうかを決めます。この時期の検索は、比べる時間がある計画的な相談です。
アンテナの修理は、台風や強風、大雨の後に「映らない」「倒れた」という相談が重なる傾向があると、専門業者の解説で案内されています。電気工事では、ブレーカーが落ちる、焦げたにおいがする、といった相談が季節を問わず入ります。こうした相談は急いでいる人からの電話になるため、電話を受けられる時間と合わせて広告を出します。
依頼のきっかけと単価の幅が分かったところで、次は何をどの順で進めるかを0から10の手順で並べます。
0から10の手順は初月に実測して2か月目に工事ごとの許容額を決めます
初月の実測で工事ごとの許容額を決め、成約の数字がそろってから予算を利益の大きい工事に寄せます
電気工事とアンテナ工事は、電話、現地での確認、見積、工事の順に進み、小さな工事ではその日のうちに終わることもあります。計測と台帳を先に整えると、2か月目には自社の数字で工事ごとの許容額を決められます。3か月目以降は、どの工事のどの地域の広告が利益を生んでいるかを比べられます。
当社が担当する場合の0から10の手順と、それぞれの期間と規模の目安は次の表のとおりです。
| 手順 | やること | 期間の目安 | 規模の目安 |
|---|---|---|---|
| 0 今の数字の把握 | 媒体ごとの電話、成約の件数と、工事ごとの単価と粗利率を3か月分そろえる | 準備の1週目 | 過去の受付簿と広告の管理画面 |
| 1 計測と台帳の準備 | 計測用の電話番号と、成約を記録する成約台帳を当社が用意する | 準備の1〜2週目 | 電話番号アセットとLPの計測用番号、成約台帳1つ |
| 2 広告グループとLPの対応表 | 分電盤、アンテナなど着地先のLPごとに広告グループを分け、電気工事士の試験と求人の語を除外する | 準備の2週目 | コンセントと照明、インターホン、分電盤と専用回路、アンテナの修理、アンテナの新設の5グループ |
| 3 工事別LPの制作 | AIを使ったLP制作で、共通の型から5本を作る | 準備の2〜4週目 | LP5本 |
| 4 配信の開始と実測 | 問い合わせ1件の上限を置かずに配信し、クリック単価、問い合わせになる割合、獲得単価、成約率を測る | 配信の初月 | 初月の広告費は200,000円(仮の計算例・6月に配信を始めた場合) |
| 5 検索語の整理 | 最初の2週間は毎日、その後は週1回、過去問やDIYの語を見つけて除外語に足す | 配信の初月〜2か月目 | 6月〜7月に、過去問、求人、DIYの語を除外語に足す |
| 6 工事ごとの許容額の決定と成約データの取り込み | 初月の実測と工事ごとの単価から許容額を決め、成約と金額を広告の管理画面に取り込む | 配信の2か月目 | 7月から週1回、分電盤とアンテナの成約の金額を取り込む |
| 7 LPの改善(LPO) | 見出し、料金の表、施工写真を工事ごとに比べる | 配信の2〜3か月目 | 7月〜8月は分電盤のLPで料金の表の位置を1か所ずつ比べる |
| 8 時期に合わせた予算配分 | 強風の後はアンテナの修理に、新築の引き渡しが多い時期はアンテナの新設に予算を寄せる | 配信の3か月目以降 | 8月〜10月の台風の時期はアンテナの修理に、3月〜4月の引越しの時期は新設に予算を寄せる |
| 9 地図検索とSEO記事 | 分電盤の交換やアンテナの立て直しの施工写真と口コミ、施工の記録から記事を書く | 配信の3〜6か月目 | 9月〜11月に分電盤の交換とアンテナの立て直しの記録から記事を書く |
| 10 媒体と受付の見直し | 媒体ごとの1件の粗利を比べ、マッチングサイトの比率と受付の仕組みを見直す | 配信の4〜6か月目 | 11月に媒体ごとの1件の粗利を比べ、春の新設の時期のマッチングサイトの比率を決める |
手順0と1で今の数字をそろえて計測の準備をします
最初に、どの媒体から何件の電話が入り、何件が工事になり、工事ごとにいくらの売上だったかを3か月分そろえます。コンセントや照明のような小さな工事と、分電盤やアンテナの新設を分けて集計しておくと、次の段階で許容額を工事ごとに置けます。
計測用の電話番号と、成約の金額を書き込む成約台帳は、当社がこの段階で用意します。会社側にお願いするのは、今の受付簿の数字の共有と、台帳の書き方の確認です。
手順2から4で工事別の広告とLPを用意して配信を始めます
広告グループは、分電盤、アンテナの修理など着地先のLPごとに分けます。分電盤を調べる人が分電盤のページに、アンテナの修理を調べる人が修理のページに着くと、検索した人の困りごととページの内容がそろいます。分け方の考え方は次の章で説明します。
初月の配信では、問い合わせ1件にかける額の上限を置かずに始めます。最初の1か月で、コンセント、分電盤、アンテナの広告グループごとに、クリック単価、問い合わせになる割合、獲得単価、成約率をその会社の数字で測ります。
手順5から10で許容額を決めて成約の数字で予算を動かします
2か月目は、初月の実測と工事ごとの単価から許容額を決め、成約の金額を広告の管理画面に取り込み始めます。金額が入ると、自動入札が分電盤やアンテナの新設のような金額の大きい工事の検索に予算を寄せやすくなります。
3か月目以降は、強風の後や新築の時期に合わせて予算を移し、地図検索の口コミとSEO記事を積み上げます。最後に、マッチングサイトと自社の広告の1件あたりの粗利を比べ、比率を見直す時期を決めます。広告グループの分け方(手順2)は、次の章で詳しく扱います。
広告グループは着地先のLPごとに分け工事名と症状と地域名で検索語を整理します
同じLPに着地させる検索語を1つの広告グループにまとめると、工事ごとの成約のデータが早くそろいます
「電気工事」「電気屋 近く」のような広い検索語は、マッチングサイトや一括見積サイトが上位と広告枠を占めます。地域の会社は、工事名や症状に市区町村名を組み合わせた検索語を中心にすると、職人が移動できる範囲の依頼を受けやすくなります。広い語は、初月の実測で成約につながるかを見てから予算を足します。
広告グループは着地先のLPが変わる時に分けます
広告グループは、似た検索語と広告文をひとまとめにして、入札と成果を見る管理の単位です。分けるかどうかの判断は、広告をクリックした人が着くLP(着地先のURL)が変わるかどうかで行います。分電盤のLPに着地させる「分電盤 交換」「ブレーカー 落ちる 修理」「漏電 修理」は、1つの広告グループにまとめてデータを集約します。
EV充電用の200Vコンセントやエアコンの専用回路の工事も、分電盤から配線を引く工事として同じLPで案内するなら、同じ広告グループに入れます。EVの専用ページを作る場合に限り、広告グループを分けます。同じ工事のデータを1つのグループにまとめると、自動入札の判断に使える件数が早くたまります。
この記事では、コンセントと照明、インターホン、分電盤と専用回路、アンテナの修理、アンテナの新設の5本のLPを用意する前提で、広告グループを5つに分けます。
| 広告グループ | 取る検索語の例 | 着地先のLP | 除外する検索語の例 |
|---|---|---|---|
| コンセントと照明 | コンセント 増設 ○○市/照明 交換 業者/スイッチ 交換 電気屋 | コンセントと照明のLP | DIY/自分で/延長コード おすすめ |
| インターホン | インターホン 交換 工事/モニター付き インターホン 取り付け 業者 | インターホンのLP | 通販/電池 交換/説明書 |
| 分電盤と専用回路 | 分電盤 交換 費用/ブレーカー 落ちる 修理/200V コンセント 工事 | 分電盤と専用回路のLP | 仕組み/記号/充電スポット 近く |
| アンテナの修理 | テレビ 映らない アンテナ/アンテナ 倒れた 修理/アンテナ 向き 調整 業者 | アンテナの修理のLP | リモコン/チャンネル 設定/テレビ 買い替え |
| アンテナの新設 | アンテナ 工事 新築/アンテナ 設置 費用/BS アンテナ 取り付け | アンテナの新設のLP | 室内アンテナ おすすめ/自分で 取り付け |
資格の勉強や仕事探しの検索語は最初の設定で外します
除外キーワードは、広告の配信から外す検索語です。電気工事は、電気工事士の試験や過去問、求人を調べる人の検索が多い業種です。「資格 試験」「過去問」「求人」「年収」は、配信の前に全ての広告グループで外しておきます。
自分で直す方法を調べる人の検索も混ざります。「DIY」「自分で」「やり方」を外したうえで、配信を始めてから2週間ほどは毎日検索語の一覧を見て、関係の薄い語を足していきます。
症状の検索語は急いでいる人の電話につながります
「ブレーカー 落ちる」「テレビ 映らない アンテナ」と調べる人は、目の前で困っています。原因が分電盤やアンテナにあるかを確かめたい段階で、電話がつながる会社が選ばれやすくなります。症状の語は、その症状を扱うLPの広告グループに入れます。
一致の範囲は、最初はフレーズ一致を中心にします。フレーズ一致(phrase match)は、登録した語の意味を含む検索に広告を出す設定です。範囲の広い部分一致(broad match)は、成約のデータがたまってから試します。
アンテナ工事は修理の相談と新設の相談でLPと広告文を分けます
修理と新設でLPと広告文と予算を上げる時期を分けると、相談の内容に合った電話を受けやすくなります
アンテナ工事の検索は、急いでいる人と準備をしている人の2つに分かれます。同じアンテナの工事でも、知りたい情報と、電話をかけるまでの時間が違います。そのため、修理と新設で別のLPと広告文を用意します。
修理の相談には電話の受付時間と修理の内容別の目安を見せます
修理の広告グループでは、「テレビ 映らない アンテナ」「アンテナ 倒れた 修理」「台風 アンテナ 修理」のような語を取ります。検索する人はテレビの前で困っていて、原因がアンテナにあるかを確かめたい状態です。
広告文には、対応する市区町村、電話の受付時間、修理の内容別の料金の目安を入れます。LPの上部には、方向の調整、立て直し、本体の交換の順に目安の金額を並べ、現地で原因を確かめてから見積を出す流れを書きます。受付時間は、実際に電話に出られる時間に合わせて書きます。
新設の相談にはアンテナの種類ごとの料金と施工写真を見せます
新設の広告グループでは、「アンテナ 工事 新築」「アンテナ 設置 費用」「BS アンテナ 取り付け」などの語を取ります。新築の家では、引き渡しから入居までの間に工事を済ませたい人が多く、数日から数週間かけて比べます。
広告文とLPには、地デジのみ、地デジとBS/CSの両方、ブースターの追加、3階建ての屋根の作業を行で分けた料金の表を載せます。デザインアンテナと八木式アンテナの違い、壁面と屋根の上の施工写真を並べると、比べる人が自分の家に合う工事を選べます。
修理は強風の後に予算を上げ新設は引き渡しの時期に厚くします
修理の広告グループの予算は、台風の進路が分かった時点で上げる準備をします。通過した翌日から数日は修理の検索が集中するため、職人の予定を空けておける日数に合わせて予算を上げる期間を決めます。
新設の広告グループの予算は、新築の引き渡しが多い時期と引越しの多い春に厚くします。月単位でなだらかに増えるため、前の年の電話の記録から計画を立てられます。広告文の分け方が決まったら、次は工事別のLPの中身を整えます。
LPを工事別に作りAIを使った制作と改善で問い合わせの割合を高めます
問い合わせの割合を上げて獲得単価を下げたうえで、成約の金額からROASとROIを確かめます
電気工事を頼む人は、家の中に入ってもらう会社を選んでいます。安全に任せられるか、総額でいくらか、すぐに連絡がつくかを見て、電話をかけるかを判断します。LPは、この3つに順に答える構成にします。
登録電気工事業者の登録番号と電気工事士の在籍を上部に載せます
住宅のコンセントや配線の工事は、電気工事士の資格を持つ人が行う決まりです。電気工事士は、電気の配線工事を行える国家資格です。電気工事業を営む会社は、電気工事業法に基づいて都道府県や経済産業省に登録し、営業所ごとに主任電気工事士を置きます。
LPの上部に、登録電気工事業者の登録番号、在籍する電気工事士の人数、代表者や職人の顔写真を載せると、依頼する人が安心して電話できます。資格の説明は一般の人に向けた短い文にとどめ、作業中の写真と並べて伝えます。アンテナ工事では、高所の作業に備えた保険への加入と施工事例を信頼の材料にします。
料金は工事ごとの幅と追加費用の条件を表で見せます
大手ポータルや一括見積サイトでは、「○○円〜」と開始の価格を大きく見せる表示が中心です。依頼する人は、開始の価格と実際の総額の差を気にしています。地域の会社のLPでは、工事ごとの料金の幅と、追加の費用が出る条件を表で見せます。
コンセントの増設なら、既存の配線から分岐する場合と、分電盤から新しく配線を引く場合を行で分けます。出張費の有無と、見積の後に依頼を見送った場合の費用も書いておくと、電話の前の迷いが減ります。
火災保険に関わる修理は適用を決めるのが保険会社であることを書きます
強風でアンテナが倒れた家では、火災保険が使えるかを気にする人もいます。適用を決めるのは保険会社です。広告やLPに書ける支援の範囲は、保険会社への連絡の案内と、工事前後の写真と見積書の提供までです。
保険で費用がまかなえることや、申請の代行を示唆する文は、広告にもLPにも書きません。検索語は「台風 アンテナ 修理」のような症状の語を中心にし、修理の相談として受けます。
工事別のLPはAIを使った制作で同じ型から作り改善を続けます
当社が担当する場合は、AIを使ったLP制作で共通の型を作り、工事ごとに見出し、料金の表、施工写真、よくある質問を差し替えます。5本を一から別々に作る場合より、そろえる日数と費用を抑えられます。
LPO(LPの改善)は、見出し、写真、料金の見せ方を入れ替えて、問い合わせの割合を上げる取り組みです。CPA(獲得単価)は、問い合わせ1件あたりにかかった広告費を指します。CPAが下がっても成約率が下がると利益は減るため、改善の判断には成約の数字も使います。
ROAS(広告費用対効果)は売上を広告費で割った倍率です。ROI(投資利益率)は、広告費と運用の費用を足した投資額に対して、手元に残った利益の割合を示します。どちらも成約の金額を台帳に記録していれば計算できます。
電話番号アセットは電話を受けられる時間だけ表示します
依頼の多くはスマートフォンから入るため、LPの電話ボタンを画面の下に固定し、近くに受付時間と対応地域を書きます。電話番号アセットは、検索広告に電話番号を添えて、スマートフォンならその場で発信できるようにする設定です。表示する時間帯は、電話を受ける体制がある時間に合わせます。
配信の地域と時間帯を整え電話から成約までを当社が用意する仕組みで計測します
成約の金額まで戻すと、工事ごとのROASとROIを比べて予算を判断できます
広告の管理画面で見えるのは電話までで、どの工事が成約したかは会社の受付簿の中にあります。この2つをつなぐと、どの工事とどの検索語に広告費を使うかを判断できます。この章では、配信地域と時間帯の決め方と、手順1と手順6で整える計測の中身を順に説明します。
配信地域は職人が移動できる範囲にします
出張の仕事なので、移動の時間が1日に受けられる件数を左右します。事務所から職人が移動しやすい市区町村を配信地域にし、範囲の外への表示を抑えます。アンテナは中継局からの距離や山間部かどうかで工事の内容が変わるため、施工の経験がある地域を優先します。
地域の設定は、その市区町村にいる人や定期的に訪れる人に広告を出す方法を選びます。引越しの前に新しい家のアンテナを調べる人もいるため、新設の広告グループだけは、地域に関心がある人への配信を残すかを成約の結果で判断します。
時間帯は電話の受付体制に合わせます
修理やブレーカーの相談は、帰宅してからの夕方から夜に増えます。夜に電話を受ける体制がある日は夜も配信し、受付の時間外は写真を送れるフォームに案内して翌朝に折り返します。新設や分電盤の交換は、昼休みや夜にスマートフォンで比べてから問い合わせる人が中心です。
入札は、最初の数週間はクリックを集める設定で始め、電話と成約の記録がたまってから成約を目標にする自動入札に移します。自動入札は、過去の電話と成約の記録から成果の見込みを読み取り、広告の仕組みがクリック単価を決めていく機能です。問い合わせ1件の目標額を入札に設定する方法は、目標CPAの記事にまとめています。
電話と成約の計測の仕組みは当社が用意します
電話の計測の仕組みは当社が用意します。電話は、広告の電話番号アセットに付く計測用の転送番号と、LPに置く計測用の電話番号(外部の電話計測ツール)で記録します。通話がごく短い電話は間違い電話や営業の電話のことが多いため、一定の通話時間を超えた電話を問い合わせとして数えます。
成約は、当社が用意する成約台帳(表計算)に、工事の種類とクリック識別子、成約日、金額を記入していただきます。当社がその記録を週1回、広告の管理画面へ取り込みます。会社側で用意するのは、台帳への記入と、分電盤やアンテナの現地確認の結果の共有だけです。
成約データの取り込み(オフラインコンバージョン)は、広告の外で決まった成約を広告の管理画面に戻す仕組みです。クリック識別子(GCLID)は、どの広告のクリックから来たかを示す番号です。成約の金額まで戻すと、コンセントの小さな工事と分電盤の工事を分けて入札できます。
売上に対して広告費をどこまで使うかを目標にする入札は、目標ROASの記事で説明しています。成約まで追えるようになったら、次は公開資料の数字と自社の単価から、工事ごとの許容額を考えます。
問い合わせ1件の許容額は公開資料の幅と自社の単価から工事ごとに試算します
分電盤やアンテナの新設なら許容額に余裕があり、コンセントや照明だけの工事では検索広告の費用が重くなります
問い合わせ1件にかけられる広告費(許容額)は、1件の売上、広告費に充てる比率、成約率の3つから試算できます。クリック単価と成約率は初月に自社の数字で測り、広告費に充てる比率は手数料の公開値の幅から置きます。ここでは公開資料の数字を出典の種類と幅で示し、そのうえで工事ごとの仮の計算例を置きます。
マッチングサイトの手数料は成約金額の20〜22%程度が公開されています
電気工事の事業者向けのマッチングサイトでは、登録料や月額の費用をかけず、成約した時に成約金額の22%の手数料がかかる仕組みが紹介されています。業種を問わない大手のマーケットでは、予約の手数料が表示料金の20%と案内されています。アンテナ工事の協力店の募集では、売上に応じた料金を払う条件が中心です。
マッチングサイトに払う手数料の幅は、自社の広告費をどこまでかけるかを考える目安としても使えます。この記事の試算では、広告費に充てる比率を手数料の幅の下の端に近い売上の20%と置きます。この20%は試算のために置いた値で、自社の粗利率に合わせて変えて使います。
クリック単価と問い合わせの割合は初月に実測して許容額の範囲に収まるかを確かめます
電気工事とアンテナ工事の検索語ごとのクリック単価と、クリックから問い合わせになる割合は、初月に広告グループごとに実測します。その前の目安として、許容額から逆算して、どこまでのクリック単価なら釣り合うかを示します。
クリック単価の上限は、問い合わせ1件の許容額に問い合わせになる割合を掛けると計算できます。次の表は、工事ごとの許容額と問い合わせになる割合の組み合わせごとに、釣り合うクリック単価の上限を並べたものです(当社の計算)。
| 工事(仮の計算例) | 問い合わせ1件の許容額 | 問い合わせになる割合3%の場合のクリック単価の上限 | 5% | 10% |
|---|---|---|---|---|
| コンセントの増設 | 1,600円 | 48円 | 80円 | 160円 |
| インターホンの交換 | 2,400円 | 72円 | 120円 | 240円 |
| アンテナの修理・交換 | 4,000円 | 120円 | 200円 | 400円 |
| アンテナの新設(地デジとBS/CS) | 5,200円 | 156円 | 260円 | 520円 |
| 分電盤の交換 | 6,400円 | 192円 | 320円 | 640円 |
コンセントの増設の許容額では、問い合わせになる割合が10%でもクリック単価は160円が上限です。初月の実測でクリック単価がこの上限を大きく超える場合は、小さな工事の検索広告は配信地域を絞り、地図検索と口コミで受ける形を中心にします。
工事ごとの単価で問い合わせ1件の許容額を比べます
照明器具から分電盤とアンテナまでの金額と割合は、工事ごとの差を示すために置いた仮の数字です。工事ごとの売上は、公開されている料金の幅の中ほどか、それより低めの値に置きました。前提は次のとおりです。
- 広告費に充てる比率は売上の20%、成約率は40%と仮定します
- 1件の売上は、照明器具の交換10,000円、コンセントの増設20,000円、インターホンの交換30,000円、分電盤の交換80,000円とします
- アンテナは、修理・交換50,000円(地デジの修理・交換の平均49,755円)、新設65,000円(地デジとBS/CSの新設の平均66,956円)とします
- 粗利率は50%と仮定します(比率を粗利と比べるため)
分電盤でもコンセントでも、許容額の式は「問い合わせ1件の許容額=1件の売上×広告費に充てる比率×成約率」で同じです。粗利率を50%とすると、売上の20%は粗利の40%に相当します。
| 工事(仮の計算例) | 1件の売上 | 成約1件にかけられる広告費(売上の20%) | 問い合わせ1件の許容額(成約率40%) |
|---|---|---|---|
| 照明器具の交換 | 10,000円 | 2,000円 | 800円 |
| コンセントの増設 | 20,000円 | 4,000円 | 1,600円 |
| インターホンの交換 | 30,000円 | 6,000円 | 2,400円 |
| アンテナの修理・交換 | 50,000円 | 10,000円 | 4,000円 |
| アンテナの新設(地デジとBS/CS) | 65,000円 | 13,000円 | 5,200円 |
| 分電盤の交換 | 80,000円 | 16,000円 | 6,400円 |
分電盤の交換の許容額は、照明器具の交換の8倍です。同じ入札で配信すると件数の多い小さな工事に予算が偏るため、工事ごとに広告グループとLPを分け、許容額を別々に置きます。照明やコンセントの工事は、1回の訪問で複数の箇所を受けると1件の売上が上がり、許容額も上がります。
月の売上と利益の見通しは、初月の実測で獲得単価と成約率がそろってから、工事の組み合わせごとに同じ式で計算します。運用の費用を含めた手元の利益は、2か月目に台帳の成約の金額から確かめます。
公開資料の数字は他社の例や条件の違う例で、自社の数字は地域、時期、工事の種類、受付の体制によって上下します。当社が担当する場合は、初月は問い合わせ1件の上限を置かずに配信し、2か月目に初月の実測と台帳にある成約の金額から工事ごとの許容額を決めます。
工事ごとの許容額が出たら、その額を広告グループごとの目標の獲得単価として自動入札に設定します。実測の獲得単価が許容額を上回った工事の広告グループは、検索語、LP、配信地域の順に見直し、手直しが済んでから予算を戻します。
マッチングサイトに頼る割合は自社の経路を整えながら見直します
配分は媒体ごとの成約1件あたりの粗利で月に1回見直します
電気工事とアンテナ工事の検索では、マッチングサイトや一括見積サイトが上位に並び、口コミの件数と料金で比べられます。地域の会社は、媒体を使い分けながら自社で受ける件数の比率を上げていきます。
マッチングサイトは自社の集客が整うまで件数を支えます
マッチングサイトは、自社の広告やLPが整う前から相談を得られます。成約1件あたりの粗利を、手数料を含めて自社の検索広告と同じ基準で計算し、月に1回並べて比べます。小さな工事は手数料を払ってもマッチングサイトで受けたほうが粗利が残る場合もあるため、工事ごとに比べます。
マッチングサイトの口コミは、広告を見た人が社名で調べた時の判断の材料にもなります。マッチングサイトを運営する会社の社内データでは、口コミが3件以上ある事業者の成約率は、口コミのない事業者の3倍と紹介されています。
地図検索と口コミとSEO記事は施工の記録をもとに増やします
地図検索対策(MEO)は、Googleマップで電気屋やアンテナ工事を調べた人に自社の情報を見つけてもらう取り組みです。営業時間、対応する工事と地域、施工写真、口コミへの返信をそろえます。「電気屋 近く」のような検索では地図の枠が大きく出るため、小さな工事の相談は地図検索から受ける割合を高めます。
SEO記事は、検索結果のうち広告枠以外の通常の掲載から読み手を集める記事です。検索で評価されるには、自社の施工から得た一次情報と、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を記事に備えることが求められます。あわせて、書き手の専門性、第一人者としての認知、サイト名の信頼という信用の3要素を、会社の側で裏付けられるように整えます。
当社が担当する場合は、成約台帳にたまる施工写真、工事の記録、お客様の声を、記事とLPへ随時反映する仕組みをAIで組み立て、お客様の会社の中で動く形にします。ブレーカーが落ちる原因、アンテナの種類の選び方、分電盤の交換の時期など、工事と症状ごとに記事を増やしても、一つひとつに実際の施工の記録が入ります。
受付のシステム化で電話の聞き取りから見積までをつなぎます
受付のシステム化は、電話とフォームで聞いた内容を同じ台帳に記録し、訪問の予約、見積、成約までつなぐ仕組みです。ブレーカーが落ちる時間帯、分電盤の年数、アンテナの種類と設置場所を聞き取ると、訪問の前に工事の見当が付きます。同じ台帳の記録を、広告への成約の取り込みにもそのまま使います。
当社が担当する7つの領域を電気工事とアンテナ工事の集客に合わせて組み合わせます
REARCSが自社の事業で開発し運用しているのは、広告運用、LPの制作と改善、SEO記事、AIを使った業務のDX、受付のシステム化です。電気工事とアンテナ工事の会社の集客では、次の7つの領域を組み合わせて担当します。
自社の事業で開発と運用を続けている7つの領域を、会社の集客の段階に合わせて組み合わせます
配分の見直しは月に1回、媒体ごとの件数、成約率、1件の粗利を並べて行います。ほかの業種の進め方は、水道修理の集客記事でも紹介しています。ここまでの内容について、電気工事とアンテナ工事の会社からよく受ける質問をまとめます。
よくある質問
判断に迷った時は、工事ごとの成約1件の粗利と職人が移動できる範囲に戻って考えます
電気工事の広告は月にいくらの予算から始めますか?
施工できる地域と受けたい工事の件数から決めます。仮の計算例では初月の広告費を200,000円と置き、5つの広告グループに分けて配ります。初月は上限を置かずに実測し、2か月目に工事ごとの許容額から月の予算を決めます。
コンセントや照明のような小さな工事だけでも広告の採算は合いますか?
配信地域を絞り、クリック単価が許容額の範囲に収まるかを初月の実測で確かめて判断します。仮の計算例では、コンセントの増設の許容額は1,600円でした。1回の訪問で複数の箇所を受ける形や、地図検索と口コミで受ける形と組み合わせます。
台風の前にアンテナの修理の広告で何を準備しますか?
予算を上げる期間と、職人の予定を空ける日を先に決めておきます。修理のLPと広告文を用意し、通過の翌日から配信を強められる状態にします。電話の受付時間をその期間だけ延ばすかも、あわせて決めます。
火災保険でアンテナを直したいという相談はどう受けますか?
修理の相談として受け、保険の適用を決めるのは保険会社であることを伝えます。会社が支援できるのは、保険会社への連絡の案内と、工事前後の写真と見積書の提供までです。広告やLPには、費用がまかなえることや申請の代行を示唆する文を書きません。
登録番号や電気工事士の資格はLPにどこまで書けばよいですか?
登録電気工事業者の登録番号と、在籍する電気工事士の人数と顔写真を書くと伝わります。法律の説明は一般の人向けの短い文にとどめ、作業中の写真と合わせて見せます。第一種か第二種かを添えると、依頼する人が判断する材料になります。
広告とSEO記事はどちらを先に進めますか?
広告で依頼を受けながら成約の多い工事と地域を確かめ、その順にSEO記事を増やします。広告の成約の記録から、どの工事の記事が成約に近いかが分かります。記事には施工の記録を入れ、信用の3要素を会社として担保します。
まとめと電気工事とアンテナ工事の広告を点検する10項目
工事と時期と金額に分けて考えると、準備する内容と順番を整理できます
電気工事とアンテナ工事の集客は、工事の種類ごとにLPと広告グループを分けるところから始まります。照明の交換と分電盤の交換では許容額が8倍違うため、分電盤やアンテナの新設の相談に予算を寄せ、小さな工事は地図検索や口コミとも組み合わせます。
アンテナは修理と新設でLPと広告文を分け、強風の後と新築の時期に予算を動かします。LPには登録番号と料金の幅を示し、初月の実測から工事ごとの許容額を決めて、広告費と売上の釣り合いを確かめます。
広告アカウントの点検に使える10項目を並べます。当てはまる項目に印を付け、残った項目を上から順に直すと、手を付ける順番を決められます。
- 分電盤やアンテナなど着地先のLPごとに広告グループが分かれている
- コンセントと照明、インターホン、分電盤、アンテナの修理と新設のLPがある
- 工事名と症状に市区町村名を組み合わせた検索語を登録している
- 資格の試験、過去問、求人、DIYの除外キーワードを登録している
- アンテナの修理と新設で広告文が分かれている
- LPに登録番号と電気工事士の在籍を載せている
- LPに工事ごとの料金の幅と追加費用の条件がある
- 火災保険について、適用を決めるのは保険会社であると書いている
- 配信地域と時間帯が職人と電話の受付体制に合っている
- 成約日と金額を広告の管理画面に取り込んでいる
REARCSでは、この10項目を広告運用の担当者が実際のアカウントで確かめる無料アカウント診断を行っています。台風の時期や新築の引き渡しが増える時期に備えて、今の設定のどこから直すかを知りたい方はご利用ください。








