元請けの家屋解体の相談は、紹介と一括見積サイトから届く分が中心で、自社の広告から来る件数はわずかです。検索広告を出してみると、費用相場や自分で壊す方法を調べる人のクリックで予算が減っていきます。解体業者の社長や集客の担当者から、こうした相談を受けることがあります。
REARCSは広告運用で13年、電話やフォームでの問い合わせが多い住まいと暮らしの領域の集客を担当してきました。水道修理(全国対応・月数百件規模の運用)も、その中の一つです。この記事では、その領域のジャンルの一つである解体工事を取り上げます。一括見積サイトに頼る割合を下げて自社で見積依頼を集めるための、リスティング広告の方向性と戦略の一部をご紹介します。
要点は3つです。1つ目は、施主の検討の段階に合わせて検索語とページを分けることです。2つ目は、家屋解体、空き家解体、内装解体、小規模解体の工種ごとにLPを用意することです。3つ目は、問い合わせから契約までを台帳で追い、広告費と売上の釣り合いを確かめることです。
初月に獲得単価と契約率を実測し、その数字から許容額を決める進め方を0から10の手順で説明します。
この記事でわかること
- 工種ごとの単価の幅と相談が始まるきっかけ
- 0から10の手順と各段階の期間と規模
- 検討段階と着地先のLPで分ける検索語と広告グループ
- 解体業者が公開する手数料の幅と初月の実測から許容額を決める進め方
解体工事の相談は空き家と相続と建て替えから始まり検討に数か月かかります
きっかけから発注まで数か月かかる相談が多く、工種によって1件の金額が大きく異なります
集客の計画を立てる前に、相談がどのようなきっかけで始まり、1件がいくらの工事になるかを確かめます。解体工事は、家屋1棟の工事と店舗の内装の撤去とで、金額も検討の進み方も違います。この違いが、検索語とLPの分け方と、広告費の上限を決める材料になります。
空き家と相続の相談は増えています
総務省の住宅・土地統計調査では、2023年10月時点の全国の空き家は900万2千戸で、空き家率は13.8%と過去最高でした。賃貸用や売却用、別荘などを除いた空き家は385万6千戸です。使う予定のない空き家の処分は、家屋解体の相談の大きなきっかけになります。
相続した実家の解体では、所有者が物件から離れた地域に住んでいることがよくあります。所有者は遠方から施工地域の地名で検索し、電話やフォームで現地の確認を頼みます。この人たちへの広告の出し方は、配信の地域の章で説明します。
家屋解体の単価は構造と坪数によって幅があります
一括見積サイトの相場ページでは、木造の家屋解体は坪31,000〜44,000円です。鉄骨造は坪34,000〜47,000円、鉄筋コンクリート造は坪35,000〜80,000円です。木造30坪なら93万〜132万円になります。
解体業者の団体サイトが公開している木造の施工事例8件では、総額は48.6万〜136.5万円で、坪単価にすると約2.0万〜4.0万円でした(坪単価は当社の計算)。ここに残置物の処分、ブロック塀や樹木の撤去、整地、石綿の調査が加わる場合があります。
内装解体と小規模解体は1件の金額が小さく工期の短さでも比べられます
内装解体は、同じ団体サイトの目安で平米8,000円〜15,000円です。美容院より居酒屋が高いなど、用途によって設備の撤去の量が変わります。ブロック塀、物置、カーポートなどの小規模解体は、1件の金額が小さい分、日程の早さと対応の手軽さで比べられます。
業者の解説では、11月から3月を忙しい時期に挙げるものが多く見られます。忙しい月は施工できる件数に合わせて広告を絞り、落ち着く月に予算を寄せて工期の空きを埋めます。相談のきっかけと単価の幅を押さえたら、次は自社集客の手順を0から10で並べます。
自社集客は0から10の手順で計測を先に整え工種ごとのLPを用意します
契約までの日数が長いため、現地調査の数字で仮に決め、契約の数字がそろった時点で決め直します
解体工事は、問い合わせ、現地調査、見積、相見積の比較、契約の順に進み、契約までの日数が長くなりやすい仕事です。そのため、許容額は2か月目に現地調査と見積の数字で仮に決め、契約の記録がそろってから決め直します。
次の表に、解体工事の会社を当社が担当する場合の手順と、期間と規模の目安をまとめました。月名は、8月に準備を始めて9月に配信を始める場合の例です。
| 手順 | やること | 期間の目安 | 規模の目安 |
|---|---|---|---|
| 0 今の数字の把握 | 紹介、一括見積サイト、自社の広告ごとの問い合わせ数、現地調査の数、契約率、工種ごとの単価と粗利率を3か月分そろえる | 準備の1週目 | 過去の台帳と見積書 |
| 1 計測と契約台帳の準備 | 当社が電話の計測用番号、フォームの計測、契約台帳を用意し、記入の手順を決める | 準備の1〜2週目 | 広告とLPの計測用番号、契約台帳のクリック識別子の欄 |
| 2 広告グループの設計 | 着地先のページごとに広告グループを分け、除外語を登録する | 準備の2週目 | 発注段階4つと比較段階1つの5グループ |
| 3 工種ごとのLPと解説ページの制作 | AIを使ったLP制作で、同じ型から工種ごとのLPと、費用と補助金と税の解説ページを作る | 準備の2〜4週目 | LP4本(家屋解体、空き家解体、内装解体、小規模解体)と解説ページ1本 |
| 4 配信の開始と実測 | 問い合わせ1件の上限を置かずに、発注段階の検索語から配信する | 配信の初月 | 初月の広告費は500,000円(仮の計算例) |
| 5 検索語の整理 | 最初の2週間は毎日、その後は週1回、検索語句の記録から除外語を足す | 配信の初月〜2か月目 | 9月〜10月は「解体 求人」「重機 中古」「解体ショー」などを除外語に足す |
| 6 許容額の仮決めと取り込み | 現地調査と見積の数字から許容額を仮に決め、現地調査と契約を広告の管理画面に戻す | 配信の2か月目 | 10月に工種ごとの許容額を仮に決め、以後は週1回、現地調査と契約を取り込む |
| 7 LPの改善(LPO) | 見積書の見本、追加費用の条件、施工事例の並べ方を工種ごとに比べる | 配信の2〜3か月目 | 10月〜11月に家屋解体と空き家解体のLPで見積書の見本の位置を1か所ずつ比べる |
| 8 許容額の決め直しと予算の移動 | 契約の数字で許容額を決め直し、工期の空きが出る月に予算を寄せる | 配信の4か月目以降 | 12月に契約の数字で決め直し、1月〜3月は家屋解体と空き家解体に、工期の空く月は小規模解体に予算を寄せる |
| 9 再訪問広告と地図検索とSEO記事 | 解説ページを読んだ人への再訪問広告、口コミと施工事例、工種別と地域別の記事を積み上げる | 配信の3〜6か月目 | 11月〜2月の施工記録から、空き家解体の費用の内訳と補助金の記事を先に書く |
| 10 媒体の見直し | 媒体ごとの1件の粗利を比べ、一括見積サイトの対応地域を絞る順番を決める | 配信の4〜6か月目 | 2月に一括見積サイトと自社の広告の1件の粗利を工種ごとに並べ、4月からの対応地域を決める |
手順0と1で今の数字と計測をそろえます
最初に、紹介、一括見積サイト、自社の広告のそれぞれから何件の問い合わせが来て、何件が現地調査と契約に進んだかを3か月分そろえます。工種ごとの単価と粗利率も並べると、一括見積サイトの手数料と自社の広告費を同じ物差しで比べられます。
電話の計測用番号、フォームの計測、契約台帳は当社が用意します。会社側で用意していただくのは、台帳への記入と現地調査の結果の共有だけです。仕組みの中身は計測の章で説明します。
手順2から4で工種ごとの広告とLPを用意して発注段階から配信します
広告グループは、着地先のページごとに分けます。家屋解体、空き家解体、内装解体、小規模解体の4つのLPと、費用と補助金と税の解説ページの5つです。工種の違う相談を1つのページで受けると、店舗の内装の撤去を探す人に木造住宅の坪単価が出るなど、検索した人の状況とページがずれます。
初月は、問い合わせ1件あたりの上限額を決めずに、発注を決めた人の検索語から配信します。解体工事の獲得単価や契約率は地域と工種で大きく変わるため、最初の1か月で家屋解体と内装解体を分けて自社の値を測ります。
手順5から10で現地調査と契約の数字から許容額を決めます
2か月目は、現地調査と見積に進んだ割合から許容額を仮に決めます。契約までの日数が長いため、現地調査を広告の成果として取り込むと、自動入札の判断材料を早くそろえられます。契約の記録が数か月分たまった時点で、契約の数字から許容額を決め直します。
3か月目以降は、解説ページを読んだ人への再訪問広告と、地図検索の口コミ、工種別と地域別のSEO記事を積み上げます。最後に、一括見積サイトと自社の広告で1件に残る粗利を比べ、一括見積サイトの対応地域を絞る順番を決めます。次は、手順2の検索語の分け方です。
検索語と広告グループは検討段階に分け着地先のLPごとにまとめます
広告グループの数は着地先のページの数にそろえ、1つのグループにデータを集めます
解体という言葉は、工事以外の検索にも使われます。求人、重機の中古販売、自分で壊す方法、車の解体、魚の解体ショーまで同じ語で広告が出るため、取る語と外す語を先に分けます。費用相場や比較の記事は一括見積サイトが上位を占めやすく、地域の業者は地域名と工種を含む検索語を中心にします。
広告グループの数は着地先のページの数にそろえます
広告グループは、似た検索語と広告文をまとめて管理する単位です。分ける基準は、広告をクリックした人が着地するページ(URL)が変わるかどうかです。家屋解体のLPに着地させる「解体工事 ○○市」「家屋解体 見積」「取り壊し 業者」は、1つの広告グループにまとめます。
着地先が同じ検索語を細かく分けると、1つのグループあたりのデータが少なくなり、入札の判断が遅れます。工種別に分けるのは、工種ごとに専用のLPを用意する場合の分け方です。LPが1本の段階では、広告グループも1つにまとめて始めます。
キャンペーンは、発注段階と比較段階の2つに分けます。キャンペーンは予算と配信の条件をまとめて管理する単位で、比較段階の予算を発注段階より低く抑えるといった調整ができます。
発注段階の検索語は地域名と工種と依頼の言葉で受けます
発注を決めた人は、「解体工事 ○○市」「家屋解体 見積」「取り壊し 業者」「内装解体 ○○区」のように、地域名と工種と依頼の言葉を組み合わせて検索します。「取り壊し」は施主が日常で使う言葉なので、業者が使う「解体」とあわせて登録します。
これらの語は、フレーズ一致(Phrase Match)を中心に登録します。フレーズ一致は、登録した語の意味を含む検索に広告を出す方式です。表示された検索語句の記録を見て、意図の違う語を除外していきます。
比較段階の検索語は解説ページで受けて再訪問広告につなげます
比較段階の語は、補助金、費用相場、坪単価、アスベスト、更地、相続を含みます。この段階の人が見積を頼むのは、数週間から数か月後になることがあります。解説ページに着地させて入札を抑え、読んだ人を再訪問広告の対象に入れます。
解説ページでは、空き家の解体の補助金は市区町村ごとに制度が違い、多くは工事の前に申請が要ることを書きます。施工地域の制度の調べ方と申請の順番を載せておくと、補助金を調べている人からの相談が入りやすくなります。
| キャンペーン | 広告グループ(着地先) | 取る検索語の例 | 除外する検索語の例 |
|---|---|---|---|
| 発注 | 家屋解体 | 解体工事 ○○市/家屋解体 見積/取り壊し 業者 | 解体 求人/解体 アルバイト/重機 中古 |
| 発注 | 空き家解体 | 空き家 解体 ○○市/実家 解体 業者 | 空き家 買取/空き家 賃貸 |
| 発注 | 内装解体 | 内装解体 ○○区/スケルトン 解体 店舗/原状回復 解体 | 居抜き 物件/内装 デザイン |
| 発注 | 小規模解体 | ブロック塀 撤去 ○○市/物置 解体 業者/カーポート 撤去 | ブロック塀 DIY/物置 販売 |
| 比較 | 解説ページ(費用・補助金・税) | 解体 費用相場/解体 補助金 ○○市/アスベスト 調査 解体/更地 固定資産税 | 解体ショー/廃車 解体/自分で 解体 |
除外キーワードは、広告を出さない検索語として登録する語です。表の右端は配信の前に登録しておき、配信後は検索語句の記録から地元の言い回しも含めて足していきます。検索語の分け方が決まったら、工種ごとのLPの中身を決めます。
LPは工種ごとに分けAIを使った制作で見積書の内訳と追加費用の条件を示します
問い合わせの割合を上げたあとは、契約の金額でROASとROIを確かめます
解体工事の施主は、相見積を前提に業者を比べます。比べる点は、金額、追加費用の出方、近隣への配慮、法令への対応です。比べる材料を先に示した会社が、相見積の候補に残りやすくなります。
見積書の見本と追加費用の条件を最初の画面の近くに置きます
LPの最初の画面には、対応地域、工種、坪単価の目安、電話番号を置きます。その下に、本体工事、付帯工事、残置物の処分、整地、石綿の調査を分けた見積書の見本を載せると、施主は他社の見積書と項目ごとに比べられます。
追加費用は、地中から古い基礎や廃材が出た場合など、出る条件と連絡の手順を先に書きます。施工事例は、構造、延べ床面積、工期、費用の幅をそろえ、木造2階建て、平屋、店舗の内装のように分けて並べます。
工種ごとのLPはAIを使った制作で同じ型から作ります
当社が担当する場合は、AIを使ったLP制作で共通の型を作り、工種ごとに見出し、施工事例、費用の目安、よくある質問を差し替えます。4本のLPと解説ページを、1本ずつ一から作る場合より短い日数でそろえられます。
空き家解体のLPには、遠方に住む所有者向けに、立ち会いを減らして進める流れと写真での報告を載せます。内装解体のLPには、退去日から逆算した工期と、管理会社との調整の進め方を載せます。小規模解体のLPには、写真を送ると概算の幅を返す仕組みを置きます。
許可と登録と石綿の調査と税の仕組みは一般向けに説明します
LPには、建設業許可か解体工事業登録の番号を載せます。1件の請負金額が税込500万円以上の解体工事には建設業許可(解体工事業)が要り、500万円未満の工事は都道府県の解体工事業登録で請け負うこともできます。
石綿は、2022年4月1日以降に着工する工事から事前調査の結果の報告が始まり、建築物の解体は作業の対象の床面積が80平方メートル以上で報告の対象になります。2023年10月1日以後に着手する建築物の解体では、事前調査を有資格者が行います。LPには、誰が調査し、施主に何を渡すかを3行ほどで書きます。
固定資産税は、毎年1月1日の状況をもとに課税されます。住宅が建っている土地は住宅用地の特例で税が軽くなっており、1月1日に住宅がない土地は特例の対象から外れます。年内に解体すると翌年度から土地の税額が上がる場合があるため、LPでは仕組みの概要を示し、個別の税額は自治体の窓口や税理士への確認を案内します。
LPの改善は問い合わせの割合と現地調査に進む割合で判断します
LPO(LPの改善)は、見出し、写真、見積書の見本の見せ方を入れ替えて、問い合わせの割合を上げる取り組みです。解体工事では、費用を聞くだけの電話が増えると、問い合わせの数に対して現地調査に進む数が伸びにくくなります。
CPA(獲得単価)は、問い合わせ1件を得るのにかかった広告費です。判断は、現地調査に進んだ割合と契約の金額まで含めて行い、ROAS(広告費用対効果)とROI(投資利益率)が上がっているかを確かめます。ROASは契約の売上を広告費で割った数字、ROIは残った利益を広告費と運用の費用の合計で割った数字です。
広告文には地域名と工種と見積書の内訳を入れます
見出しの例は「○○市の家屋解体|見積書の内訳を項目ごとに提示」や「○○区の内装解体|退去日に合わせた工期の相談」のような形です。説明文には、現地調査から見積書までの流れと、追加費用が出る条件を書きます。
電話番号アセット(Call Assets)を設定すると、広告に電話のボタンが付き、スマートフォンから1回押すだけで電話をかけられます。サイトリンク(Sitelinks)は、広告の下に施工事例や費用のページへのリンクを並べる設定です。広告文とLPがそろったら、次は配信の地域を決めます。
配信の地域は施工できる範囲と遠方に住む所有者の2つで考えます
配信の範囲と期間は、施主の住む場所と検討の長さに合わせて決めます
解体工事は、物件のある場所と所有者の住む場所が離れている例が多い仕事です。配信の設定は、施工できる範囲と、所有者が検索する場所と時間に合わせて決めます。
施工地域の地名を含む検索は遠方からの検索も受けます
配信地域は、施工できる市区町村に絞るのが基本です。そのうえで、相続した実家の解体のように所有者が遠方に住む相談に備えて、施工地域の地名を含む検索語に限って配信地域を広げたキャンペーンを別に作ります。
「○○市 解体」と検索する人は、遠方に住んでいても施工地域の物件の相談を考えています。配信地域はキャンペーンごとに設定するため、着地先のLPが同じでも、地域の設定が違う場合はキャンペーンを分けます。
時間帯とデバイスは問い合わせの記録で決めます
最初の1か月は、電話を受けられる時間に合わせて配信します。夜や休日の検索はフォームと写真の送信で受け、翌営業日に折り返す流れにします。パソコンで見積を比べてからスマートフォンで電話する人もいるため、デバイスごとの入札は1か月分の記録を見てから調整します。
再訪問広告は解説ページを読んだ人に絞ります
再訪問広告(Remarketing)は、一度サイトを見た人に、別のサイトや検索結果で広告を出す仕組みです。対象は、解説ページや費用のページを読んだ人に絞り、採用のページだけを見た人は外します。
表示する期間は検討の長さに合わせて決めます。広告文は、補助金の申請の時期や、年内に解体を終えたい人の締め切りなど、時期に合った内容に替えていきます。
入札は現地調査と契約の記録がたまってから自動にします
最初は、クリック単価(CPC)の上限を決める入札から始めます。クリック単価は、広告が1回押されるごとに払う金額です。現地調査と契約の記録がたまった時点で、目標コンバージョン単価(Target CPA)の自動入札に切り替えます。目標の置き方は、目標CPAの記事で説明しています。
電話とフォームの計測と契約台帳で問い合わせから契約までを追います
契約の金額まで戻すと、契約を生んだ検索語と工種が広告の画面で見えます
解体工事の広告を問い合わせの数だけで評価すると、判断を誤りやすくなります。費用を聞くだけの電話と、現地調査まで進む電話が、同じ1件に数えられるためです。
計測の仕組みは当社が用意します
電話は、広告の電話番号アセットの計測用の転送番号と、LPに置く計測用の電話番号(外部の電話計測ツール)で記録します。契約は、当社が用意する契約台帳(表計算)に、クリック識別子、契約日、金額を記入していただき、当社が定期的に広告の管理画面へ取り込みます。会社側で用意していただくのは、台帳への記入と現地調査の結果の共有だけです。
フォームと写真の相談も、電話とは別に数えます。連絡の手段ごとに、現地調査へ進む割合が違うためです。間違い電話や営業電話は、一定の通話時間を超えた電話だけを成果にすることで除きます。
現地調査と契約を広告の管理画面に戻します
成約データの取り込み(オフラインコンバージョン)は、広告の外で起きた現地調査や契約を、広告の管理画面に戻す仕組みです。問い合わせの記録に残すクリック識別子(GCLID)は、どの広告のクリックから来た相談かを示す番号です。
現地調査を先に取り込むと、契約までの日数が長くても、自動入札が契約に近い相談に予算を寄せられます。契約の金額まで戻すと、家屋解体と内装解体を分けて入札できます。売上を基準にした目標の置き方は、目標ROASの記事で紹介しています。
問い合わせの月と契約の月を分けて記録します
解体工事は、問い合わせから契約までの日数が長くなる場合があります。台帳には、問い合わせの日、現地調査の日、契約の日を別の欄に記録し、広告の評価は問い合わせの月で行います。
こうしておくと、数か月前の広告がどの契約を生んだかを後から確かめられます。記録がそろったら、次は手数料の幅と工種ごとの単価から、広告費の許容額を考えます。
広告費の許容額は解体業者が公開する手数料の幅と工種ごとの単価から試算します
家屋解体なら許容額が獲得単価を上回り、内装解体だけでは下回ります
問い合わせ1件にかけられる広告費(許容額)は、1件の売上、広告費に充てる比率、契約率の3つから試算できます。解体工事のクリック単価、獲得単価、契約率は、初月に工種ごとの台帳で実測します。ここでは公開されている単価と手数料の幅を示し、そのあとに仮の計算例を置きます。
一括見積サイトの手数料は契約額の10〜20%程度とされています
解体業者が公開している記事では、一括見積サイトや比較サイトに払う手数料は契約額の10〜15%程度、成約時に工事代金の10〜20%程度とされています。別の解体業者の記事にも、10〜20%の手数料という記述があります。どちらも業者側の記事の記述で、運営会社が公表した料率表の数字とは別のものです。
自社で広告を出すときも、一括見積サイトに払っている手数料の率と並べると、広告費の比率を同じ物差しで考えられます。試算では、この幅の中にある売上の15%を、広告費に充てる比率として置きます。15%は計算のための仮定で、自社の粗利率に合わせて置き直します。
獲得単価と契約率は初月の実測で確かめます
解体工事の獲得単価の円額は、初月に自社の台帳で数えて確かめます。代理店の公開事例には、除外語と一致の方式の見直しと電話の計測で、獲得単価が35%下がった例があります。解体の規模別の検索語を足して、問い合わせが1.4倍になった例もあります。
獲得単価は、クリック単価を問い合わせになる割合で割って求めます。次の表は、初月に測るクリック単価と問い合わせになる割合を当てはめるための、仮の組み合わせの計算です(当社の計算)。
| クリック単価(仮定) | 問い合わせになる割合1% | 2% | 3% | 5% |
|---|---|---|---|---|
| 300円 | 30,000円 | 15,000円 | 10,000円 | 6,000円 |
| 500円 | 50,000円 | 25,000円 | 約16,700円 | 10,000円 |
| 800円 | 80,000円 | 40,000円 | 約26,700円 | 16,000円 |
同じクリック単価500円でも、問い合わせになる割合が1%なら50,000円、5%なら10,000円で、5倍の差があります。初月にクリック単価と問い合わせになる割合を測ると、自社が表のどの位置にいるかが分かります。
この幅をもとに、広告費と釣り合う工事の金額を当社で計算しました。契約率20%で広告費を売上の15%に収めるなら、獲得単価25,000円で1件約83万円の工事が必要です。木造30坪の家屋解体なら釣り合い、内装解体や小規模解体だけでは下回ります。
仮の計算例で工種ごとの許容額と月の利益を比べます
ここからの金額と割合は、考え方を示すために置いた仮の数字です。前提は次のとおりです。
- 月の広告費は500,000円と仮定します
- クリック単価は500円、クリックから問い合わせになる割合は2%と仮定し、獲得単価は25,000円になります
- 契約率は20%と仮定します
- 家屋解体の1件の売上は、木造30坪930,000円、鉄骨造30坪1,020,000円、木造40坪1,240,000円とします。坪単価は一括見積サイトの相場の低い側を使います
- 内装解体の1件の売上は、30坪を坪15,000円で計算した450,000円とします
- 粗利率は、計算を簡単にするため工種を問わず25%と仮定します
許容額の式は「問い合わせ1件の許容額=1件の売上×広告費に充てる比率×契約率」です。粗利率25%の前提では、売上の15%は粗利の6割にあたります。
| 工種(仮の計算例) | 1件の売上 | 契約1件にかけられる広告費(売上の15%) | 問い合わせ1件の許容額(契約率20%) | 獲得単価25,000円との比較 |
|---|---|---|---|---|
| 内装解体(30坪) | 450,000円 | 67,500円 | 13,500円 | 下回る |
| 木造30坪の家屋解体 | 930,000円 | 139,500円 | 27,900円 | 上回る |
| 鉄骨造30坪の家屋解体 | 1,020,000円 | 153,000円 | 30,600円 | 上回る |
| 木造40坪の家屋解体 | 1,240,000円 | 186,000円 | 37,200円 | 大きく上回る |
表の右端は、仮の計算例の獲得単価25,000円と比べた結果です。家屋解体では許容額が獲得単価を上回り、内装解体だけでは下回ります。内装解体の広告グループは、問い合わせの割合を高めるLPの改善か、地図検索や紹介など広告費のかからない経路との組み合わせで考えます。
| 項目(月・仮の計算例) | 木造30坪が中心(契約率20%) | 内装解体が半分(契約率20%) | 木造30坪で契約率10% |
|---|---|---|---|
| 広告費 | 500,000円 | 500,000円 | 500,000円 |
| クリック数(クリック単価500円) | 1,000クリック | 1,000クリック | 1,000クリック |
| 問い合わせ(問い合わせになる割合2%) | 20件 | 20件 | 20件 |
| 獲得単価 | 25,000円 | 25,000円 | 25,000円 |
| 契約 | 4件 | 4件 | 2件 |
| 契約の内訳 | 木造30坪4件(930,000円) | 木造30坪2件と内装解体2件(450,000円) | 木造30坪2件 |
| 売上 | 3,720,000円 | 2,760,000円 | 1,860,000円 |
| 売上に対する広告費の比率 | 約13% | 約18% | 約27% |
| ROAS(売上÷広告費) | 744% | 552% | 372% |
| 粗利(25%) | 930,000円 | 690,000円 | 465,000円 |
| 粗利から広告費を引いた額 | 430,000円 | 190,000円 | −35,000円 |
木造30坪の家屋解体が中心なら、広告費は売上の約13%で、粗利から広告費を引くと430,000円が残ります。内装解体が半分になると約18%で190,000円、契約率が10%に下がると約27%で35,000円の赤字です。契約率の差が、利益の出方を大きく変えます。
| 項目(木造30坪が中心・仮の計算例) | 運用の費用を広告費の15%とした場合 | 運用の費用を広告費の20%とした場合 |
|---|---|---|
| 売上(4件×930,000円) | 3,720,000円 | 3,720,000円 |
| 粗利(25%) | 930,000円 | 930,000円 |
| 広告費 | 500,000円 | 500,000円 |
| 運用の費用 | 75,000円 | 100,000円 |
| 広告費と運用の費用の合計(売上に対する比率) | 575,000円(約15%) | 600,000円(約16%) |
| 粗利から広告費と運用の費用を引いた残り | 355,000円 | 330,000円 |
| ROI(残り÷広告費と運用の費用の合計) | 約62% | 約55% |
運用の費用の2列は、広告代理店の公開料金表にある運用代行の手数料(広告費の15〜20%)の下限と上限です。解体工事の月500,000円の広告費に当てはめると、75,000〜100,000円になります。
木造30坪の家屋解体が中心の場合、粗利から広告費と運用の費用を引いた残りは月330,000〜355,000円です。自社の契約単価と契約率で同じ表を作ると、自社の場合の利益の残り方が分かります。
公開資料の数字は他社の記事の幅で、自社の数字は地域、工種、時期、受付の体制によって上下します。当社が担当する場合は、初月は上限額を置かずに配信し、クリック単価、問い合わせになる割合、獲得単価を測ります。
2か月目に現地調査に進んだ割合から許容額を仮に決め、契約の記録がそろった時点で契約率から決め直します。獲得単価が許容額を超えた広告グループは、検索語、LP、配信地域の順に原因を確かめてから予算を戻します。
一括見積サイトに頼る割合は自社の検索広告とSEO記事を育てて下げます
自社の問い合わせが安定した地域から、一括見積サイトの対応地域を順に絞ります
解体工事の検索結果では、一括見積サイトが費用相場の記事と広告枠の多くを占めます。一括見積サイトは件数を得やすい一方で、手数料がかかり、複数の業者と並べて比べられます。地域の業者は一括見積サイトを補う役割に置き、自社で受ける件数の割合を上げていきます。
一括見積サイトは使う地域と月を決めて使います
一括見積サイトは、自社の広告が届きにくい地域と、工期の空きが出る月に使うと役割がはっきりします。手数料を差し引いた粗利と、自社の広告費を差し引いた粗利を、同じ計算方法で月に1回並べます。並べた数字から、自社集客へ移す地域の順番を決めます。
一括見積サイト経由の施主も、工事が終われば自社の顧客です。工事の後に、地図検索の口コミと、親族や知人への紹介をお願いします。
指名検索と地図検索と紹介を積み上げます
指名検索とは、会社名や屋号を入れた検索のことです。現場の看板、近隣への挨拶の書面、施工事例のページを見た人が会社名で探すため、近隣での工事が増えるほど指名検索も増えます。会社名の検索にも広告を出しておくと、他社の広告に相談が流れるのを防げます。
地図検索対策(MEO)は、Googleマップで解体業者を探す人に自社を見つけてもらう取り組みです。施工事例の写真、対応する工種と地域、口コミへの返信を整えます。解体後の土地の売却や建て替えでは、不動産会社や工務店から紹介が届く例もあります。
SEO記事は施工の記録と信用の3要素から作ります
SEO記事は、検索結果の広告以外の枠から読む人を呼ぶ記事です。費用相場の記事は一括見積サイトが強いため、地域の業者は、施工地域の補助金、工種別の工期、施工事例の費用の内訳など、自社の施工で得た一次情報で書きます。
検索で評価されるには、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)が要ります。さらに、書き手の専門性、第一人者としての認知、サイト名の信頼という信用の3要素を、会社として担保する設計にします。
当社が担当する場合は、台帳から記事とLPへ施工の写真と見積書を移す仕組みをAIで組み、お客様の会社の中に実装します。施工事例の写真と見積の内訳、お客様の声は、施工の記録が届いた週に当社が記事とLPへ反映します。工種別、地域別に記事を増やしても、一つひとつに実際の施工の記録が入ります。
受付のシステム化で写真の相談から現地調査の予約までをつなぎます
受付のシステム化は、電話、フォーム、写真の相談で聞いた内容を同じ台帳に記録し、現地調査の予約と見積までつなぐ仕組みです。建物の構造、延べ床面積、所在地、希望の時期を同じ欄で聞くと、夜や休日の相談も翌営業日の予約に進められます。
当社が担当する7つの領域を集客の段階に合わせて組み合わせます
REARCSでは、広告運用に加え、LPの制作と改善、SEO記事、AIを使った業務のDX、受付のシステム化を、自社の事業でも開発して使っています。解体工事の会社の集客では、次の7つを段階に合わせて組み合わせます。
一括見積サイトに頼る割合を下げる順番に合わせて、必要な領域から組み合わせます
媒体の配分は月に1回、件数、現地調査の数、契約率、1件に残る粗利を媒体ごとに並べて見直します。電話の多い他の業種の進め方は、水道修理の集客記事でも紹介しています。ここまでの内容について、解体業者からよく受ける質問をまとめます。
よくある質問
どの質問も、現地調査と契約の記録があると数字で答えを出せます
解体工事の広告は月にいくらの予算から始めますか?
施工する地域と、受けたい現地調査の件数から決めます。公開されている手数料の幅と月の仮の計算例は、予算の章にまとめています。初月は上限額を置かずに測り、現地調査と契約の数字がそろってから許容額を決めます。
一括見積サイトと自社の広告はどちらを優先しますか?
自社の問い合わせが安定するまでは両方を使い、1件に残る粗利で比べる形を勧めます。一括見積サイトは、自社の広告が届きにくい地域と工期の空きが出る月の件数を補います。自社の問い合わせが安定した地域から、一括見積サイトの対応地域を順に絞ります。
費用相場を調べている人に広告を出すと費用がかさみますか?
比較段階のキャンペーンに分けて入札を抑え、解説ページに着地させると、費用を抑えながら接点を作れます。読んだ人を再訪問広告の対象に入れておくと、発注を決める時期に会社名を思い出してもらいやすくなります。
問い合わせから契約まで数か月かかる場合はどう評価しますか?
問い合わせの月と契約の月を分けて記録し、問い合わせの月で広告を評価します。現地調査を先に広告の管理画面へ取り込み、契約の日付と金額があとから届いた時点で追加します。
建設業許可や解体工事業登録の番号はLPに載せたほうがよいですか?
載せたほうが、施主が業者を比べるときの判断材料になります。番号とあわせて、石綿の事前調査を誰が行い、施主に何を渡すかを短く書いておくと、相見積の段階で候補に残りやすくなります。
年内に解体すると固定資産税が上がると聞かれたらどう答えますか?
1月1日に住宅がない土地は住宅用地の特例から外れるため、翌年度から土地の税額が上がる場合があると、仕組みの概要を伝えます。個別の税額や建て替えの場合の扱いは自治体によって異なるため、自治体の窓口や税理士への確認を案内します。
まとめと解体工事の広告アカウントの無料診断
4つの点を順に整えると、一括見積サイトに頼る割合を下げる順番が見えてきます
解体工事は、相談のきっかけから発注までの期間が長く、工種によって1件の金額が大きく違う仕事です。発注段階の検索は工種ごとのLPに着地させ、比較段階の人には解説ページと再訪問広告で会社名を覚えてもらいます。初月の実測と現地調査の数字から許容額を仮に決め、契約の記録で決め直しながら、一括見積サイトに頼る割合を下げていきます。
最後に、解体工事の広告アカウントを点検するための10項目を並べます。当てはまらない項目から順に確かめます。
- 発注段階と比較段階でキャンペーンが分かれている
- 着地先のページごとに広告グループがまとまっている
- 家屋解体、空き家解体、内装解体、小規模解体のLPがある
- 求人、自分で解体、重機の中古などの除外キーワードを登録している
- 施工地域の地名を含む検索を遠方からも受ける設定がある
- LPに見積書の見本と追加費用が出る条件がある
- 建設業許可か解体工事業登録の番号と石綿の調査の流れを載せている
- 電話、フォーム、写真の相談を分けて計測している
- 問い合わせの月と契約の月を台帳で分けて記録している
- 現地調査と契約の金額を広告の管理画面に取り込んでいる
REARCSの無料アカウント診断では、広告運用の担当者がこの10項目を実際のアカウントで一つずつ確かめます。工期の空きが出る月に向けて、今の設定のどこから直すかを知りたい方はご利用ください。