家の鍵をなくした人や、玄関の前で締め出された人は、その場でスマートフォンを取り出して近くの鍵屋を探します。この場面では、電話番号と総額の目安が見える広告が選ばれやすくなります。鍵屋の会社にとって、この検索から届く電話を広告で安定して受けられるかどうかは、毎月の売上に大きく関わります。
REARCSは広告運用を13年続け、電話での相談が中心になる緊急の駆けつけサービスや、暮らしの困りごとを解決する領域の集客を担当してきました。担当してきた例には、ロードサービス(広告アカウント診断)や水道修理(全国対応・月数百件規模の運用)があります。この記事では、その中のジャンルの一つである鍵開け・鍵交換・鍵紛失の鍵屋について、リスティング広告を使った集客の方向性と戦略の一部をご紹介します。
要点は3つです。1つ目は、家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開けの4つの相談ごとにLPと広告グループを分けることです。2つ目は、総額の目安と加算の条件と作業前の同意の手順を先に示して電話を受けることです。3つ目は、作業金額まで記録して広告費と売上の釣り合いを確かめることです。数字は公開資料の幅と仮の計算例で示し、当社が担当する場合に何を、どの順で、どの規模で進めるかを0から10の手順で並べます。
この記事でわかること
- 鍵開けと鍵交換の単価の幅と依頼が届く時間帯
- 電話専用広告の終了に合わせた電話番号アセットへの移行
- 総額の目安と加算の条件と作業前の同意を載せるLPの作り方
- 公開資料の幅と初月の実測から広告費の釣り合いを確かめる手順
鍵開けの依頼は日中に多く夜と深夜にも届き単価は鍵の種類と作業によって幅があります
夜と深夜を合わせると鍵開けの依頼の約35%になり、時間帯ごとに受付と入札を分けて考えます
広告の計画を立てる前に、依頼が届く時間帯と1件の単価の幅を確かめます。鍵屋の依頼は、締め出しや紛失の急ぎの相談と、引越しや防犯のための鍵交換の相談に分かれます。2つは検索の言葉も、依頼が届く時間も違います。
依頼は日中が最も多く夜と深夜にも続きます
一括見積サイトが公開している2025年の鍵開けの依頼392件を、時間帯で分けた値があります。日中(8〜18時)が62.1%、夜間(18〜22時)が24.4%、深夜(22〜3時)が10.6%でした。早朝と明け方は合わせて3.1%です。深夜の依頼は全体の1割ほどで、日中と夜に多くの依頼が届いています。
同じデータの到着までの時間は、30分以内が27.8%、1時間以内までの累計が60.2%でした。依頼した人の多くは、1時間ほどで来てもらえる鍵屋を探しています。広告を出す範囲は、職人が1時間ほどで着ける地域を一つの目安にします。
単価の相場感は鍵の種類と作業の内容によって幅があります
同じ一括見積サイトの2025年の成約データでは、鍵開けの平均は25,881円、中央値は22,000円です。鍵交換と修理の平均は32,061円、中央値は27,830円でした。鍵開けの成約額は1万〜2万円台が38.4%で最も多く、2万〜3万円台が24.1%です。
マッチングサイトの出店事業者の相場(2026年3月時点)では、鍵を壊さずに開ける作業が1個8,800〜17,000円です。鍵を壊して開けて交換まで行う場合は、刻みキーで19,000〜30,000円、ディンプルキーで25,000〜35,000円とされています。防犯性の高い鍵ほど、同じ作業でも金額が上がります。
見積から成約までに金額が上がる例が多くあります
同じ成約データでは、鍵開けの見積の平均14,914円に対して成約の平均は25,881円で、69.2%の依頼で金額が上がっていました。鍵交換も70.6%で上がり、平均の差はどちらも約1.1万円です。現地で鍵の種類や作業の方法が分かってから金額が変わる仕事であることが、数字にも表れています。
このため、LPと電話では、作業ごとの総額の目安に加えて、金額が上がる条件を先に伝えます。伝え方はLPの章で詳しく説明します。時間帯と単価の幅が分かったところで、次は当社が担当する場合の進め方を0から10の手順で並べます。
当社が担当する場合は0から10の手順を配信初月の実測から進めます
初月の実測で許容額を決め、作業金額がそろう3か月目から時間帯と地域ごとに予算を寄せます
鍵屋の仕事は、電話、到着、鍵の確認、総額の提示、同意、作業の順に進みます。電話の段階で総額の目安を伝え、現地で同意を得てから作業するまでを1つの流れとして記録すると、どの広告が作業金額につながったかが見えてきます。
当社が担当する場合の0から10の手順と、期間と規模の目安を表にまとめます。12月に準備を始めて1月に配信する場合の月で書いています。
| 手順 | やること | 期間の目安 | 規模の目安 |
|---|---|---|---|
| 0 今の数字の把握 | 媒体ごとの電話の数、出動の数、作業の数、作業金額、粗利率を3か月分そろえる | 準備の1週目 | 受付の記録と広告の管理画面 |
| 1 計測用の番号と成約台帳 | 当社が電話の計測用番号と成約台帳を用意し、当番と記入の手順を決める | 準備の1〜2週目 | 計測用の番号2種類と成約台帳 |
| 2 広告グループの設計 | 行き先のLPに合わせて広告グループを4つに分け、除外語を登録する | 準備の2週目 | 家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開け |
| 3 LPの制作 | AIを使ったLP制作で共通の型を作り、相談ごとのLPを作る | 準備の2〜4週目 | LP4本 |
| 4 配信の開始と実測 | 問い合わせ1件の上限を置かずに配信し、クリック単価、電話になる割合、獲得単価、作業に進む割合を測る | 配信の初月 | 初月の広告費は240,000円(仮の計算例) |
| 5 検索語の整理 | 最初の2週間は毎日、その後は週1回、実際の検索語から除外語を足す | 配信の初月〜2か月目 | 1月〜2月は「鍵 開け方 自分で」「ピッキング やり方」と求人の語を除外語に足す |
| 6 許容額の決定と成約データの取り込み | 初月の実測と作業金額から許容額を決め、作業と金額を広告の管理画面へ取り込む | 配信の2か月目 | 2月に日中、夜、深夜ごとの許容額を決め、以後は週1回、作業と金額を取り込む |
| 7 LPの改善(LPO) | 料金表の見せ方、作業前の手順の書き方、写真を入れ替えて比べる | 配信の2〜3か月目 | 2月〜3月に家の鍵開けのLPで料金表の位置を1か所ずつ比べる |
| 8 時間帯ごとの入札と当番 | 日中、夜、深夜ごとに、当番の人数に合わせて入札と予算の上限を決める | 配信の3か月目以降 | 3月以降は夜と深夜の予算の上限を、当番の人数と出動できる件数で決める |
| 9 地図検索と口コミ | 作業の完了時に口コミをお願いする流れを作り、地名つきの作業例を載せる | 配信の3〜6か月目 | 3月〜6月は鍵開けと鍵交換の作業例を地名つきで毎週載せる |
| 10 鍵交換の案内と媒体の見直し | 鍵開けや紛失の作業の後に鍵交換を案内し、媒体ごとの1件の粗利を比べる | 配信の4〜6か月目 | 4月〜6月は鍵紛失の後の鍵交換の件数と、媒体ごとの1件の粗利を月1回並べる |
手順0と1で今の数字と計測の準備をそろえます
最初に、媒体ごとの電話の数、出動した数、作業まで進んだ数、作業金額を3か月分集めます。鍵開けと鍵交換では単価が違うため、作業の種類ごとに分けて集計します。この集計が、問い合わせ1件にかけてよい広告費を考える出発点になります。
計測用の電話番号と成約台帳は当社が用意し、受付の当番と記入の手順を決めます。中身は電話と計測の章で説明します。
手順2から4で相談ごとの広告とLPを用意して配信を始めます
締め出された人、鍵をなくした人、鍵を替えたい人、車のインロックで困っている人では、知りたい内容が違います。相談ごとにLPを用意し、そのLPに合わせて広告グループを分けます。検索した人は、自分の状況に合う料金表と作業の流れをすぐに見られます。
配信を始めた月は、問い合わせ1件にかける上限を決めずに広告を出します。当社はこのジャンルで、時間帯や地域を通した自社の実績値を持っていません。そのため初月は、クリック単価、電話になる割合、獲得単価、作業に進む割合を、その会社の数字で測ります。
手順5から10で許容額を決めて作業金額の記録で予算を動かします
2か月目は、初月の実測と作業金額から許容額を決め、検索語の整理と成約データの取り込みを同時に進めます。作業金額が管理画面に入ると、自動入札が金額の大きい作業につながる検索に予算を寄せていきます。
3か月目以降は、時間帯ごとの当番の人数に合わせて入札を調整し、地図検索の口コミを増やします。鍵開けや紛失の作業の後には鍵交換の案内を渡し、後日の依頼まで台帳に記録します。次の章では、手順2の広告グループの分け方を説明します。
広告グループは家の鍵開けと鍵紛失と鍵交換と車の4つのLPに合わせて分けます
行き先が同じLPになる検索語は1つの広告グループに集め、データを1か所にためます
「鍵屋」や「鍵開け」の一般語は、大手ポータルや全国対応の業者が検索結果の上位と広告枠を占めます。地域の鍵屋は、作業の名前、困っている状況、地域名を組み合わせた検索語を中心にすると、同じ予算で受けられる電話を増やせます。
広告グループはLPのURLが変わる時に分けます
広告グループは、似た検索語と広告文をひとまとめにして管理する単位を指します。分け方の基準は、行き先のLP(着地先のURL)が変わるかどうかです。この記事の進め方では、家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開けの4本のLPを用意するため、広告グループも4つになります。
同じURLに着地させる検索語を1つの広告グループに集めると、クリックと電話のデータがまとまり、入札の学習と判断が早く進みます。鍵の種類別や地域別に細かく分けるのは、それぞれ専用のLPを用意する段階になってからにします。
| 広告グループ(着地先のLP) | 取る検索語の例 | 検索語の想定クリック単価(公開データ) | 除外する検索語の例 |
|---|---|---|---|
| 家の鍵開け(鍵開けのLP) | 鍵開け ○○市/家 の 鍵 が 開か ない/締め出し 鍵屋 | 「鍵 開け」約790円、「家 の 鍵 が 開か ない」約820円 | 鍵 開け方 自分で/ピッキング やり方/開錠 とは |
| 鍵紛失(鍵紛失のLP) | 家の鍵 なくした/鍵 紛失 ○○市/鍵 作り直し | 「家の鍵 なくした」約300円 | 鍵 紛失 警察 届け出/鍵 紛失 夢 |
| 鍵交換(鍵交換のLP) | 鍵交換 ○○市/鍵 交換 費用/引越し 鍵 交換 | 鍵交換+地域名500〜1,500円(代理店の目安) | 鍵 交換 自分で/シリンダー 通販 |
| 車の鍵開け(車の鍵開けのLP) | 車 インロック 鍵屋/インロック ○○市 | インロック+地域名400〜1,200円(代理店の目安) | インロック 自分で 開ける/車 鍵 開け方 |
| 全グループ共通 | — | — | 鍵屋 求人/鍵師 資格/自転車 鍵/スーツケース 鍵 |
家の鍵開けと鍵紛失は依頼に近い順に予算を配ります
「鍵開け ○○市」「家 の 鍵 が 開か ない」は、困りごとがはっきりしている依頼に近い検索です。最初の予算は家の鍵開けの広告グループに配り、一致の仕方はフレーズ一致(phrase match)から始めます。フレーズ一致とは、登録した語句の意味を含む検索に広告を出す範囲を絞った設定です。
公開されているキーワード分析では、「鍵 開け」の検索が月に約9,900回、「家の鍵 なくした」が約1,900回ありました。地名は、市区町村名に加えて駅名も登録します。玄関の前で検索する人は、今いる場所の名前で調べることが多いためです。
鍵交換と車の鍵開けは専用のLPを用意して加えます
鍵交換は、引越しや防犯のために日中に探す人が多い相談です。鍵開けの広告と分けて鍵交換のLPを用意すると、料金表と鍵の種類の説明を十分に載せられます。紛失の相談では、鍵開けの後に鍵交換を一緒に頼む人もいるため、鍵紛失のLPにも鍵交換の料金の目安を載せます。
車のインロックは、自動車保険に付くロードサービスと比べられる前提で考えます。料金と到着までの目安を具体的に書くと、比べたうえで選ばれやすくなります。金庫や車の鍵の作成は、対応できる会社が専用のLPを用意する段階で加えます。
除外語は自分で開ける人と求人と単価の低い品目の検索です
除外キーワードとは、指定した語句を含む検索を広告の表示から外すための設定です。「鍵 開け方 自分で」「ピッキング やり方」は自分で開けたい人や仕組みを知りたい人の検索で、依頼から離れています。求人や資格の検索も同じ扱いで、配信の初日に登録します。
自転車やスーツケースの鍵の検索は、単価が低く、移動の手間と釣り合いにくい依頼です。受ける方針の会社は、別の広告グループと別のLPで予算の上限を決めて扱います。検索語が決まったら、次は着地先のLPを作ります。
LPには総額の目安と加算の条件と作業前の同意の手順を載せます
3つの料金の情報を先に示すと、高額請求の報道を知っている人にも電話をかける理由が伝わります
鍵屋は、高額請求のトラブルの報道で警戒されやすいジャンルです。国民生活センターは2024年11月19日に、出張解錠サービスの料金トラブルについて注意を呼びかけました。料金を正直に示している鍵屋にも、検索した人は同じ警戒心を持って広告を見ます。
国民生活センターの注意喚起は総額と加算と作業前の確認を求めています
紹介された相談の1つでは、ホームページに「解錠で2,000円〜」と表示されていた事業者に依頼しました。電話では料金は現地で伝えると言われ、作業後に約10万円を請求されました。別の相談では、基本料金8,000円に特殊なオートロックキーの加算約4万円が付き、工賃などを含めて約5万円を支払っています。
国民生活センターは、「○○円〜」の表示に加えて、出張料とキャンセル時の金額も確かめるよう助言しています。LPでは、この助言に答える形で、総額の目安、加算の条件、作業前の同意の3点を並べます。
総額の目安は作業ごとに出張費と部材費を含めた幅で書きます
料金表は、「玄関の鍵開け(一般的なシリンダー)総額○円〜○円」のように、作業ごとに出張費、作業費、部材費を合わせた総額の幅で書きます。最低料金だけを大きく出す表示より、電話をかける前に支払いの見当が付きます。価格を実際より有利に見せる表示は、景品表示法で有利誤認表示として禁じられています。
加算の条件は同じ表に金額の目安と一緒に書きます
加算の条件は、深夜の時間帯、防犯性の高いディンプルキーや電子錠、鍵を壊して開ける作業、駐車場代や高速道路の料金などです。条件ごとの金額の目安を料金表と同じ表に並べると、自分の鍵がどの条件に当たるかを読む人が確かめられます。電話でも、鍵の種類とメーカーを最初に聞き、加算の有無を伝えます。
作業前の同意は総額の提示と署名の手順として書きます
作業前の同意は、鍵を確認して総額を伝え、見積書への署名か金額を書いたメッセージで同意を得てから作業を始める手順として書きます。金額に納得いただけなかった場合の出張費の有無と金額も、同じ場所に書きます。
この手順は、LP、電話の台本、現場の職人の説明で同じ言葉にそろえます。3か所で同じ説明を聞くと、依頼した人は手順を信じて任せやすくなります。
本人確認と口コミと会社の情報で信頼の材料をそろえます
鍵開けでは、依頼した人がその家に住む人か持ち主かを確かめます。身分証の住所、郵便物、管理会社への確認などの方法をLPに書き、電話の段階で身分証の用意をお願いします。本人確認の手順が書いてある会社は、防犯に真剣な会社として受け取られます。
口コミは、「○○市・2026年10月・玄関の鍵開けと鍵交換」のように日付と地域と作業内容を添えて載せます。LPの上部には会社の所在地と担当者の顔写真を置き、電話番号はスマートフォンの画面の下に固定します。
LPはAIを使った制作で作りCVRと作業金額で改善します
当社が担当する場合は、AIを使ったLP制作で共通の型を作り、家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開けの4本を同じ型から作ります。2本目以降は、見出し、料金表、写真、よくある質問の差し替えが中心です。
LPの改善(LPO)では、料金表の並べ方や作業前の手順の書き方を1か所ずつ入れ替え、CVRを比べます。CVR(コンバージョン率)とは、LPを訪れた人の中で電話をかけた人やフォームを送った人の割合のことです。
獲得単価(CPA)は、電話やフォームの問い合わせ1件にかかった広告費を指します。獲得単価が下がっても、単価の低い作業ばかりになると利益は残りにくくなります。当社は、作業金額の記録から、ROAS(広告費用対効果)とROI(投資利益率)が上がっているかまで確かめます。
ROASは、かけた広告費に対して何倍の売上があったかを表す割合です。ROIは、広告費と運用の費用を合わせた支出に対して、どれだけ利益が残ったかを表す割合です。LPが整ったら、次は配信の時間帯と地域を決めます。
配信の時間帯と地域は受付の当番と到着までの時間に合わせて設定します
広告を出す時間と範囲は、電話を受けて出動できる時間と範囲に合わせます
同じ広告費でも、配信の設定によって受けられる電話の数と、出動できる件数が変わります。鍵屋では、時間帯ごとの当番の体制と、到着までの時間が設定の基準になります。以下、時間帯、地域、端末の順に説明します。
時間帯は日中と夜と深夜に分けて当番の人数に合わせます
広告のスケジュールは、日中、夜、深夜の3つに分けて設定します。日中は鍵交換の相談も増えるため、鍵交換の広告グループに予算を回します。夜と深夜は締め出しと紛失の相談が中心で、当番が多い日は入札を強め、1人で受ける日は弱めます。
公開されているキーワード分析では、「深夜 鍵屋」の想定クリック単価は約1,200円、「鍵 開け 緊急」は約1,330円でした。急ぎの言葉はクリック単価が高めのため、深夜の予算の上限は、当番が受けられる出動の件数から逆に決めます。
地域は到着までの時間で区切ります
配信地域は、拠点から車で30分ほどで着ける範囲を最も厚くし、30分から1時間の範囲は入札を弱めて配信します。広告文とLPには、地域ごとの到着の目安を時間で書きます。目安を伝えたうえで依頼を受けると、到着後の行き違いも減らせます。
職人が複数の拠点にいる会社は、拠点ごとに広告の予算を分けて管理します。拠点ごとの作業金額を比べると、次に人を増やす地域を判断しやすくなります。
車内に子どもが残る場合は最初に119番への通報を案内します
夏の車のインロックで車内に子どもが残っている場合は、受付で最初に119番への通報を案内します。そのうえで、出動できるかと到着の目安を伝えます。この順番は、電話の台本の最初の項目に入れておきます。
端末は急ぎの依頼に合わせてスマートフォンを中心にします
締め出しや紛失の依頼は、ほとんどがスマートフォンから届きます。スマートフォンで料金表と電話のボタンがすぐ見える配置にします。鍵交換の相談は、日中にパソコンで料金を比べてから届くこともあるため、端末ごとの作業金額を見て入札を調整します。
電話は電話番号アセットで受け計測用の番号と成約台帳で作業金額まで追います
お客様の会社の作業は、台帳への記入と、出動と作業の結果の共有の2つです
鍵屋の依頼は電話が中心です。広告の管理画面に見えるのは電話の数までで、出動と作業と金額は会社の手元の記録にあります。この章では、電話の受け方と、作業金額まで追う計測の仕組みを説明します。
電話専用広告は2026年2月に新規作成が終わり2027年2月に表示が終わります
電話専用広告は、押すとそのまま電話がかかる形の広告です。Google広告ヘルプは「ご対応のお願い: 電話専用広告から電話番号アセットへの移行」(2025年10月3日掲載)で時期を案内しています。2026年2月に新しい電話専用広告を作る選択肢が削除され、2027年2月に既存の電話専用広告も表示されなくなります。
移行先は、レスポンシブ検索広告に付ける電話番号アセットです。レスポンシブ検索広告とは、複数の見出しと説明文を登録しておき、検索ごとに組み合わせを変えて表示する広告を指します。今も電話専用広告を使っている会社は、表示が止まる前に作り直し、同じ時期に検索語と計測の設定も見直します。
電話番号アセットとLPの電話ボタンの両方で電話を受けます
電話番号アセットとは、広告の下に電話番号と発信のボタンを加える設定のことです。スマートフォンで広告を見た人は、そのまま電話をかけられます。電話番号アセットは検索ごとに出る回と出ない回があるため、LPの画面の下にも電話のボタンを固定して置きます。受付の時間帯だけ電話番号アセットを出す設定にすると、時間外はLPのフォームへ案内できます。
計測の仕組みは当社が用意します
電話の記録には、電話番号アセットに付く計測用の転送番号と、LPに載せる計測用の電話番号(外部の電話計測ツール)を使います。どちらの番号も当社が用意し、どの広告と検索語からの電話かを残します。料金を聞くだけの短い電話や間違い電話を分けるため、一定の通話時間を超えた電話を成果として数えます。
作業の結果は、当社が用意する成約台帳(表計算)に、クリック識別子と作業日と作業金額を記入していただきます。お客様の会社で必要になるのは、台帳への記入と、出動と作業の結果を共有していただくことだけです。
作業金額を広告の管理画面へ取り込みます
オフラインコンバージョン(成約データの取り込み)とは、電話のあとに現場で決まった作業と金額を、あとから広告の管理画面に戻す仕組みです。当社が台帳のクリック識別子(GCLID)と作業日と金額を、週に1回ほど取り込みます。作業金額が入ると、自動入札が金額の大きい作業につながる時間帯と検索語に予算を寄せるようになります。
鍵開けの後に続いた鍵交換の金額も同じお客様の記録に足すと、最初の検索語の成果を正しく数えられます。売上と広告費の比べ方は、目標ROASの記事でも説明しています。作業金額まで追えるようになったら、次は公開資料の数字と自社の単価から広告費の釣り合いを考えます。
広告費の釣り合いは公開資料の幅と自社の作業単価と成約率から試算します
電話になる割合と成約率が下がると赤字になるため、2つの割合を初月に実測します
鍵屋の広告費の釣り合いは、1件の売上、獲得単価、成約率の3つで試算できます。鍵屋に絞った国内の広告の実績値は公開されている例が少なく、比率と割合にも幅があります。以下では、公開資料の数字を出典の種類つきの幅で示してから、仮の計算例を置きます。
クリック単価は語によって300円台から1,000円台まで開きがあります
公開されているキーワード分析では、語ごとの想定クリック単価が示されています。「家の鍵 なくした」が約300円、「鍵 開け」が約790円、「家 の 鍵 が 開か ない」が約820円、「深夜 鍵屋」が約1,200円です。鍵屋を扱う代理店の解説では、地域名を含む語で鍵交換が500〜1,500円、「鍵 開かない」が800〜2,000円、鍵紛失が600〜1,800円とされています。
獲得単価は、クリック単価を電話になる割合で割って出せます。下の表は、クリック単価と電話になる割合の組み合わせごとの獲得単価です(当社の計算)。
| クリック単価(仮の計算例) | 電話になる割合5% | 10% | 15% | 20% |
|---|---|---|---|---|
| 800円 | 16,000円 | 8,000円 | 約5,300円 | 4,000円 |
| 1,200円 | 24,000円 | 12,000円 | 8,000円 | 6,000円 |
代理店の解説では、電話の問い合わせ1件の獲得単価は3,000〜8,000円が目安とされています。表に当てはめると、クリック単価800円なら電話になる割合が10〜20%台の場合にこの目安に入ります。電話になる割合は、初月に自社の受付の記録で測ります。
成約率と比べる物差しは代理店の目安と紹介サービスの手数料です
同じ代理店の解説では、電話がつながった後の成約率は40〜60%、成約1件の広告費は6,000〜15,000円が目安とされています。どちらも目安として示された値です。この試算では、成約率を中央の50%と置きます。
紹介サービスの公開条件には、作業代金の20%前後を手数料とする例があります。自社の広告費を比べる物差しの一つとして、この20%も表に並べます。
仮の計算例で作業ごとの上限と月の利益を比べます
以下の金額と割合は、考え方を説明するために置いた仮の数字です。前提は公開資料の幅の中から選び、選び方を括弧に書きました。
- 月の広告費は240,000円とします(代理店の解説にある小規模の会社の目安、月20万〜50万円の範囲)
- クリック単価は800円、電話になる割合は15%とし、獲得単価は約5,300円です(代理店の目安3,000〜8,000円の中)
- 成約率は50%とします(代理店の目安40〜60%の中央)
- 鍵開けの単価は22,000円、鍵交換の単価は28,000円とします(一括見積サイトの成約額の中央値)
- 粗利率は60%と仮定します
| 作業(仮の計算例) | 1件の売上 | 粗利(60%) | 問い合わせ1件で粗利が残る上限(成約率50%) | 紹介手数料20%と同じ水準に抑える場合 |
|---|---|---|---|---|
| 鍵開け | 22,000円 | 13,200円 | 6,600円 | 2,200円 |
| 鍵交換 | 28,000円 | 16,800円 | 8,400円 | 2,800円 |
| 鍵開けと鍵交換を同じ訪問で受ける | 50,000円 | 30,000円 | 15,000円 | 5,000円 |
上限の列は「1件の売上×粗利率×成約率」、右端の列は「1件の売上×20%×成約率」で計算しました。仮の計算例の獲得単価約5,300円は、粗利が残る上限の内側にあり、紹介手数料と同じ水準よりは高くなります。自社の広告は件数と時間帯を自分で選べる分、売上に対する広告費の比率が紹介手数料より高くなる場合があります。
| 項目(月・仮の計算例) | 鍵開けだけの場合 | 22件のうち6件で鍵交換も受けた場合 |
|---|---|---|
| 広告費 | 240,000円 | 240,000円 |
| クリック数(クリック単価800円) | 300クリック | 300クリック |
| 電話(電話になる割合15%) | 45件 | 45件 |
| 獲得単価 | 約5,300円 | 約5,300円 |
| 作業(成約率50%・端数切り捨て) | 22件 | 22件 |
| 作業の内訳 | 鍵開け22件(22,000円) | 鍵開け22件と鍵交換6件(28,000円) |
| 売上 | 484,000円 | 652,000円 |
| 売上に対する広告費の比率 | 約50% | 約37% |
| ROAS(売上÷広告費) | 約202% | 約272% |
| 粗利(60%) | 290,400円 | 391,200円 |
| 粗利から広告費を引いた額 | 50,400円 | 151,200円 |
鍵開けだけの月は、広告費が売上の約50%で、粗利から広告費を引くと50,400円が残ります。22件のうち6件で鍵交換も受けると約37%になり、151,200円が残ります。鍵開けや紛失の作業の後に鍵交換を案内する手順が、利益の差につながっています。
電話になる割合が10%、成約率が40%の月は、同じ広告費で電話30件、作業12件になり、獲得単価は8,000円です。鍵開けだけなら売上は264,000円、広告費の比率は約91%で、粗利から広告費を引くと81,600円の赤字になります。2つの割合の違いで結果が大きく変わるため、初月の実測を先に行います。
| 項目(6件で鍵交換も受けた場合・仮の計算例) | 運用の費用を広告費の15%とした場合 | 運用の費用を広告費の20%とした場合 |
|---|---|---|
| 売上 | 652,000円 | 652,000円 |
| 粗利(60%) | 391,200円 | 391,200円 |
| 広告費 | 240,000円 | 240,000円 |
| 運用の費用 | 36,000円 | 48,000円 |
| 広告費と運用の費用の合計(売上に対する比率) | 276,000円(約42%) | 288,000円(約44%) |
| 粗利から広告費と運用の費用を引いた残り | 115,200円 | 103,200円 |
| ROI(残り÷広告費と運用の費用の合計) | 約42% | 約36% |
運用の費用は、運用代行の手数料の帯(広告費の15〜20%)で計算しました。帯は代理店の公開料金表の値で、鍵屋を扱う代理店の解説記事も広告費の20%を相場としています。広告費240,000円なら運用の費用は36,000〜48,000円で、粗利から広告費と運用の費用を引いた残りは月103,200〜115,200円です。
初月は上限を置かずに測り2か月目に時間帯ごとの許容額を決めます
公開資料の数字は他社の例や目安で、自社の数字は地域、時間帯、当番の体制、鍵の種類によって上下します。当社が担当する場合は、最初の1か月は問い合わせ1件の上限を置かずに配信し、クリック単価、電話になる割合、獲得単価、成約率を時間帯ごとに測ります。
2か月目に、初月の実測と台帳の作業金額から、時間帯ごとに許容額を決めます。式は上の表と同じで、1件の売上、粗利率、成約率を自社の数字に置き換えます。目標の獲得単価の置き方は、目標CPAの記事で説明しています。上限を超える時間帯は、検索語、LP、配信地域の順に見直してから予算を戻します。
大手ポータルへの依存は地図検索と口コミと受付の仕組みを整えながら下げていきます
経路ごとの配分は、1件の粗利と当番の体制で月に1回見直します
「鍵開け」で検索すると、大手ポータル、紹介サービス、比較記事、全国対応の業者が並びます。紹介サービスは作業代金に応じた手数料がかかる一方で、広告やLPが整う前から件数を得られます。地域の鍵屋は、経路を使い分けながら自社で受ける件数の比率を上げていきます。
大手ポータルは開業初期と自社の広告を止めている時間の依頼を補います
開業したばかりで口コミが少ない時期は、大手ポータルの紹介が件数を支えます。自社の広告を止めている時間帯や、配信地域の外からの依頼を受ける役にも置けます。紹介の手数料と自社の広告費を1件の粗利で並べ、月に1回比べます。
ポータル経由の作業でも、作業例と口コミは自社の材料として残ります。お客様の了承を得て、作業の写真を地図検索とLPに載せます。
地図検索と口コミは作業の完了時のお願いから増やします
地図検索対策(MEO)とは、Googleマップで鍵屋を探す人に、自社の店舗情報と口コミを見つけてもらうための取り組みです。店舗の住所、受付の時間、対応する作業、料金の目安を正しく登録します。口コミは、作業の完了を確かめたその場で、書き込む画面の案内を手渡す形にすると、口コミを続けて集められます。
値引きと引き換えに口コミを頼む方法は、口コミの信頼を損なうため避けます。届いた口コミには、厳しい内容も含めて事実を確かめたうえで返信します。
SEO記事は作業の記録から鍵の種類別と地域別に増やします
SEO記事とは、検索結果の通常の掲載枠から読み手を集めるための記事です。検索で評価されるには、自社の作業から得た一次情報と、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を記事に備える必要があります。さらに、書き手の専門性、第一人者としての認知、サイト名の信頼という信用の3要素を、会社の情報として示せる形に整えます。
当社が担当する場合は、作業の写真と記録、お客様の声を台帳から記事とLPへ順に反映する仕組みを、AIを使ってお客様の会社の中に組み込みます。鍵の種類別やメーカー別、地域別に記事を増やしても、それぞれに実際の作業の記録が入るため、鍵のトラブルで困っている人の判断に役立ちます。
受付のシステム化で夜の電話から出動と作業の記録までをつなぎます
受付のシステム化とは、電話とフォームで聞いた内容を同じ台帳に残し、出動の手配と作業の記録までつなげる仕組みです。鍵の種類、メーカー、今いる場所、身分証の有無を同じ順で聞くと、出動の前に総額の目安を伝えられます。台帳はそのまま成約データの取り込みにも使います。
鍵屋の集客で当社が担当できる領域は7つあります
REARCSは、自社の事業の中で、広告運用、LPの制作と改善、SEO記事、AIを使った業務のDX、受付のシステム化を開発し、運用しています。鍵屋の集客では、次の7つの領域を組み合わせて担当します。
どの領域も当社が自社事業で開発し運用しているもので、鍵屋の集客の段階に合わせて組み合わせます
経路ごとの配分は、件数、成約率、1件の粗利を毎月並べて見直します。電話が中心の業種の進め方は、水道修理の集客記事でも紹介しています。ここまでの内容について、鍵屋の会社からよく受ける質問に答えます。
よくある質問
判断に迷った時は、1件の粗利と当番が受けられる出動の件数に戻って考えます
鍵屋の広告は月にいくらの予算から始めますか?
出動できる地域と当番の人数から決めます。鍵屋を扱う代理店の解説では、1〜2名の事業者で月10万〜20万円、複数の地域を受ける会社で月20万〜50万円が目安とされています。初月は上限を置かずに測り、2か月目に自社の数字で許容額を決めます。
電話専用広告は今も使えますか?
新しい電話専用広告の作成は2026年2月に終わり、既存の広告も2027年2月に表示が終わる予定です。Google広告ヘルプが案内する移行先は、レスポンシブ検索広告の電話番号アセットです。表示が止まる前に作り直し、計測用の番号の設定も同時に見直します。
料金は最低料金を大きく出した方が電話は増えますか?
総額の目安と加算の条件を並べた料金表を勧めます。最低料金だけを見て電話をかけた人は、現地での金額との差に不信を持ちやすくなります。国民生活センターも、依頼の前に出張料とキャンセル時の金額を確かめるよう呼びかけています。
深夜の広告は出した方がよいですか?
当番が出動できる日は出し、受けられる件数を予算の上限にします。鍵開けの依頼のうち深夜は1割ほどで、急ぎの言葉はクリック単価が高めです。深夜の獲得単価と作業金額を初月に測り、2か月目に深夜の許容額を決めます。
鍵開けの後に鍵交換を案内してもよいですか?
鍵をなくした人には、作業の後に鍵交換の料金表を渡して案内します。拾った人に使われる心配を持つ人が多く、仮の計算例でも鍵交換を受けた月は利益が増えています。その場で決めてもらうより、料金表を渡して後日の依頼も受けられる形にします。
大手ポータルの紹介はやめて自社の広告だけにしてよいですか?
自社の広告と地図検索で毎月の件数が安定してから、少しずつ比率を下げる形を勧めます。開業初期や自社の広告を止めている時間帯は、ポータルの紹介が件数を支えます。経路ごとの1件の粗利を並べて、自社で受ける比率を上げていきます。
まとめと鍵屋の広告アカウント診断のご案内
相談の種類と時間帯と作業金額に分けて考えると、2027年2月までに準備する内容を整理できます
鍵屋の集客は、家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開けの4つにLPと広告グループを分けるところから始まります。LPには総額の目安と加算の条件と作業前の同意の手順を載せ、電話は電話番号アセットと計測用の番号で受けます。初月の実測から時間帯ごとの許容額を決め、鍵交換まで含めた作業金額で広告費と売上の釣り合いを確かめます。
鍵屋の広告アカウントを点検するための10項目です。当てはまらない項目があれば、そこから順に直していくと手を付ける順番がはっきりします。
- 電話専用広告から電話番号アセットへの移行を済ませている
- 家の鍵開け、鍵紛失、鍵交換、車の鍵開けのLPがある
- 行き先のLPに合わせて広告グループを分けている
- 自分で開ける、求人、自転車やスーツケースなどの除外キーワードを登録している
- LPに作業ごとの総額の目安と加算の条件が書いてある
- 作業前に総額を伝えて同意を得る手順がLPと電話の台本でそろっている
- 本人確認の手順と、子どもの閉じ込めの際の119番の案内が台本にある
- 時間帯ごとの入札が当番の人数に合っている
- 配信地域が到着までの時間で区切られている
- 計測用の番号と成約台帳で作業金額を管理画面に取り込んでいる
REARCSの無料アカウント診断では、この10項目を広告運用の担当者が今のアカウントで確かめ、直す順番をお伝えします。2027年2月の電話専用広告の表示終了の前に、今の設定でどこから直すかを知りたい方はご利用ください。